一見、冷え性とは関係なさそうな冷えのぼせ。しかし、実はその正体は、冷え性がさらに深刻化した症状だったのです。
冷え性重度の冷えのぼせは、上半身に負担をかけるだけでなく、様々な症状となって毎日の生活に支障をきたします。
冷えのぼせの症状やその原因のほか、対策方法や冷えのぼせの人がやってはいけないことを分かりやすくご紹介します。
まずは、冷えのぼせの様々な症状を知り、冷えのぼせの状態に陥っているのかどうかをチェックしましょう。
冷えのぼせって何?
冷えのぼせとは、手足といった体の末端が冷える一方で、頭や上半身がのぼせて熱く感じる症状のことです。また、年齢に関係なく、幅広い年齢層の人が発生することも知られています。
この他にも、冷えのぼせには下記のような諸症状がみられます。
- 体全体ではなく下半身のみに冷えを感じる
- 手のひらや足の裏に汗をかきやすい
- 冷えを感じないのに冷たいものを飲んだり食べたりするとトイレが近くなる
- 暖房の効いているところに入ると、急に熱くなり汗をかく
冷えのぼせとは関係ないと思われるものも、実は症状のひとつ。これらの中でひとつでも覚えがある人は、冷えのぼせの疑いがあります。
冷えのぼせ原因
冷えのぼせは冷え性が重度化したものなので、発症する根本的な原因は冷え性と同様に「体温調節機能が通常どおり働かない冷えやすい体質」です。そのような冷えやすい体質の原因として、筋肉や食事量が少ないことと、自律神経のバランスの乱れの2つが挙げられます。
では、どうしてこの2つが冷えやすい体質の原因になっているのでしょうか?
運動不足による筋肉の凝りと減少
仕事の都合上、長時間座っていることが多い人は、運動不足に陥ってしまいがち。運動不足の状態が続くと筋肉量が減るだけでなく、筋肉が凝り固まります。
脂肪を燃やし、体温を維持するために必要なエネルギーを作り出す働きがある筋肉。その筋肉量が減ると、当然体内で作られるエネルギー量も減少します。その結果として生じるのが、冷えやすい体質というわけなのです。
また、凝り固まってしまった筋肉は、近くを流れる血管を圧迫し、血の巡りを悪くします。すると、血液が下半身や手足といった体の末端にまで上手く行き渡りにくくなり、冷えやすい体質になってしまいます。
少ない食事量によるエネルギー不足
痩せるためにと食事制限によるダイエットをする方も多いことでしょう。しかし、少ない食事量も、体の冷えの原因となるのです。
私たち人間は、取り入れた食事を体内でエネルギーに変換し、そのエネルギーを燃やして体温を一定に保っています。
そのエネルギーに必要となる十分な量の食事を摂らなければ、体に必要な十分な量のエネルギーを作ることができません。
ですから、エネルギーのもととなる食事の量を減らすと、当然うまく体温を上げられずに冷えやすい体質へと繋がってしまうのです。
自律神経のバランスが乱れている
自律神経には、体温を一定に保ったり、血行をコントロールしたりといった生命維持には欠かせない機能があります。
そんな大切な役割のある自律神経は、毎日の生活習慣やストレスなどの影響を受けやすく、バランスが崩れてしまいがちです。
ストレスを溜め込む、あるいは不規則な生活習慣を続けると、自律神経が正常に働きません。すると、血行不良や体温調節機能に支障をきたし、冷えやすい体質へと陥りやすくなるのです。
疲れやだるさなど体調不良の原因に
このような身近な生活習慣が原因となる冷えのぼせを放っておくと、疲れや肩こり、精神的な不調、さらには寝付きが悪くなったり睡眠の質が悪くなったり、といった症状に繋がります。
これらの症状だけではありません。上半身だけが熱くのぼせているということは、それだけの量の血液が上昇し、心臓や脳に負担をかけている状態にあります。
知らず知らずのうちに心臓や脳への負担が増えている状態が続けば、ほかの重大な病気を誘発する恐れが高まります。
ですから、「単なる冷えのぼせだから」と放置するのではなく、冷えのぼせへの対策をきちんと行い、思わぬ病気や症状へのリスクを減らしましょう。
冷えのぼせの対策

冷えのぼせを対策するうえでのポイントは、大きく分けて3つあります。
- 上手に下半身の冷えを解消すること
- 自律神経のバランスを整えること
- 血行状態を改善すること
冷え性にも効果的な方法なので、冷え性と冷えのぼせの両方を一気に解消しましょう。
上手に下半身の冷えを解消
下半身の冷えをうまく解消するためには、上半身と下半身とで身に付けるものを変えて温度調節をすることが大切になります。
冷えやすい足先や下半身は、ソックスやスパッツそして膝かけなどでしっかりと温めましょう。しかし、温めるためにとソックスを重ねて履いたり、強いホールド力のあるガードルを着用したりするのは逆効果。血行不良により余計に冷えてしまうので避けてくださいね。
熱くなりがちな上半身は、薄手のトップスを重ね着がおすすめです。室内外での気温差に応じて脱ぎ着し、積極的に温度調節を行えば上半身と下半身とでの体温差をうまく調整できますよ。
自律神経のバランスを崩す原因となる、夏場の冷房や冬場の暖房といった室内外の気温差も防ぐことができるので、今一度身につけるものに気をつけてみてはいかがでしょうか?
自律神経のバランスを整える
体温の調節機能を担っている自律神経を正常に整えるには、ストレスの解消が効果的です。
仕事や家事など、毎日の生活を送る中でストレスはつきものです。毎日頑張り続けていれば、ストレスはどんどん蓄積されていくばかり。ですから、時には息抜きをしてストレスによる負担を減らしましょう。
趣味を楽しんだり、音楽を聴きながらゆったりとした時間を過ごしたり、ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かったり……自分に合った方法を見つけ、ストレスと上手に付き合うと良いですよ。
血行状態を改善
冷えを改善するには、血行の流れを促進することも大切になります。
運動不足の方は積極的に歩くことを心がけ、少しでも運動するように励みましょう。筋肉を動かせば血行が改善するだけでなく、減少した筋肉量も取り戻せますよ。
また、下半身の中で一番大きな筋肉がある太ももを温めるだけでも、血行が良くなり下半身への血液循環がより良くなります。
これらの対策を日常生活に取り入れて続ければ、冷えのぼせの諸症状だけでなく、冷えのぼせによる体の不調も改善されます。
運動不足の方は積極的に歩くことを心がけ、少しでも運動するように励みましょう。筋肉を動かせば血行が改善するだけでなく、減少した筋肉量も取り戻せますよ。
また、下半身の中で一番大きな筋肉がある太ももを温めるだけでも、血行が良くなり下半身への血液循環がより良くなります。
これらの対策を日常生活に取り入れて続ければ、冷えのぼせの諸症状だけでなく、冷えのぼせによる体の不調も改善されます。
冷えのぼせの人がやってはいけないこと
対策を行うと同時に冷えのぼせにとってNGとなる行為を知り、避けることでさらに効率的に冷えのぼせを解消できます。冷えのぼせの人がやってはいけないこととして3つが挙げられます。
これらは、上半身と下半身の体温差を上手に解消したり、体を温めたりと冷えのぼせには良いと思われるかもしれません。しかし、それぞれ以下のような理由から避けるべき行為となります。
【長時間の入浴】
長時間にわたっての入浴は、のぼせを誘発する恐れがあるほか、入浴後にめまいが生じることもあるので危険です。
【首~肩全体を冷やす】
頭がボーッとする・のぼせるからと首~肩全体を冷やせば、自律神経の乱れや全身の冷えに繋がりかねません。
【首のつまった服を着る】
タートルネックやハイネックといった首のつまった服は、のぼせ状態を誘発します。そのうえ、のぼせたときにかいた汗が逃げず、体を冷やしてしまいます。
脱!冷えのぼせ
冷え性が重度化した症状である冷えのぼせですが、冷え性と同様に冷えやすい体質が原因となって発症します。
どうして冷えやすい体質に陥っているのかを知るためにも、自分自身の体と今一度向き合うことが改善への第一歩です。今の体の状態や生活習慣を見直し、体質を改善すれば解消することができます。
冷えのぼせから他の病気を引き起こさないためにも、今日からコツコツと対策を行いましょう。
