せっかく髪を切ったものの、なんだか切りすぎてしまった、なんて経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
そんなとき一番願うのは、「髪の毛が早く伸びればいいのに」ですよね?!
今回は、そんな願いをかなえるべく、自分でできる髪の毛を早く伸ばす方法を紹介していきたいと思います。
併せて意外と知らない髪の成分やヘアサイクルなどについても説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
髪の毛の成分と伸びるスピード
そもそも髪の毛がどんな成分でできているのか、そしてどの位で伸びるのかご存知でしょうか。
まずはそれらを詳しく紹介していきたいと思います。
髪を形作っている成分
髪の毛は、「ケラチン」と呼ばれる成分で主に成り立っています。
ケラチンとは18種類のアミノ酸が結合しているタンパク質のことで、髪の毛だけでなく皮膚や爪の主成分でもあります。
具体的には、髪の毛の80パーセントをケラチンが占めているほか、10~15パーセントを水分が、そして3パーセントを脂質が、その他をミネラルやメラニン色素が占めているのです。
ケラチンの中でも、髪の毛にはシスチンと呼ばれる成分が最も多く含まれています。
これは丈夫で健康な髪の毛を維持するために必要な成分ですので、その数が多ければ多いほど質の良い髪が形成されていきます。
また、シスチンは結合させたり離したりすることができる成分です。
パーマはこのシスチンの働きを利用して、髪の毛の形を変えさせているのです。
髪が伸びるスピード
髪の毛を形作っている成分が何なのかわかったところで、続いてはヘアサイクルや髪が伸びる時期、速度などについてみていきましょう。
そもそも私たちの頭皮から出ている髪の毛と呼ばれる部分は、「毛幹」といいます。
そしてその頭皮にある根元の部分を「毛根」、その中でも一番膨らんだ部分のことを「毛球」と呼びます。
この毛球にある「毛母細胞」と呼ばれる組織が、分裂を繰り返すことで角質化され、頭皮から押し出されたものが「毛幹」、つまりは髪の毛となります。
また、毛球には、毛母細胞のほかに毛乳頭と呼ばれる組織があります。
これは毛細血管から毛母細胞へと栄養を含んだ血液を送る働きをしている部分で、細胞分裂も促しています。
したがって、実質上髪を伸ばす働きがあるのは、毛球の部分になります。
これらが作用することで、私たちの髪の毛に「ヘアサイクル」と呼ばれる周期をもたらし、髪を伸ばす時期を決めているのです。
髪で行われているヘアサイクルについて
ヘアサイクルには、大きく分けて3つの時期があります。
まず、毛母細胞が分裂することで髪の成長を促す「成長期」、分裂が遅くなる「退行期」、そして分裂が終わる「休止期」です。
また、成長期が2~6年続くのに対し、退行期が2週間ほど、そして休止期は3~4カ月ほど続きます。
このうち、髪が伸びる時期は成長期で、逆に休止期は髪が抜け落ちるといわれています。
髪が伸びる速さと時期
髪の毛が伸びる速さは、一般的に1日で0.35~0.4mm、そして1カ月で12mm、1年では14cmにもなるといわれています。
しかし、例えば女性は男性に比べて髪が伸びるのが早いといわれているように、伸びる速さには個人差があります。
性別以外にも、季節や栄養状態、体調、年齢、髪の洗い方などが影響してくることもわかっています。
また、夏は冬に比べて髪の毛が伸びやすいといわれています。
髪を伸ばすには?
私たちの髪の毛は、さまざまなことに影響されて伸びる速さを決めています。
続いては、それらを踏まえたうえで、髪を伸ばすためにどうしたらいいのか、その方法を紹介していきましょう。
食事
髪の毛の主成分であるケラチン、その中でもシスチンは、食べ物の影響を大きく受けます。
というのも、シスチンは髪の毛に含まれている成分であるメチオニンから合成することもできるのですが、メチオニンは体内で生成することができない「必須アミノ酸」の一種となります。
これは日々の食生活で補う必要があるのです。
例えば牛乳や卵、大豆などにはメチオニンが多く含まれています。
その他、ケラチンを補うために良質な植物・動物タンパク質を摂取することも大切です。
また、髪の成長を促してくれるビタミン類や、ミネラルを摂取することも必要となります。
さまざまな食材をバランスよく摂取するために、食生活を改善するようにしましょう。
また、髪の毛を早く伸ばすために、毎日しっかりと水分を補給することも大切です。
目安としては、1日1.5~2リットルほどの水を毎日摂取するようにしましょう。
この際、ミネラルウォーターを選ぶと、髪の生成に必要なミネラルも同時に摂取できますので、おすすめです。
頭皮ケア
頭皮マッサージをすることで、頭皮の血行を改善し、皮膚自体を柔らかくしてくれます。
結果、毛母細胞に栄養が十分に行き渡るようになるため、髪の成長を促してくれるのです。
また、毎日のシャンプーの中で、頭皮をしっかりと洗い流してあげることを心がけましょう。
頭皮にシャンプーの洗い残しや皮脂などの汚れが残ってしまうことで、髪の毛の成長の妨げとなります。
入浴時には、それらをしっかりと洗い流してあげようにしましょう。
睡眠
良質な睡眠をとることで、髪の毛の質や伸びる速さに良い効果を与えます。
特に成長ホルモンが活発に分泌される、ゴールデンタイムと呼ばれる22時~深夜2時に就寝することで、髪の毛だけでなく美肌にも効果的です。
また、睡眠時間もたっぷり6~7時間ほどは摂れるようになると、さらに効果が上がりますよ。
ストレスを溜めない
ストレスは身体や精神に不調をもたらすだけでなく、髪が伸びる速度へも悪影響を与えます。
というのも、ストレスによって自律神経が乱れることで、頭皮へと栄養が十分に行き渡らなくなってしまうのです。
したがって、髪を早く伸ばすためには、ストレス対策も大切となります。
ぜひ軽い運動や趣味の時間を作るなど、自分なりのストレス発散法を実践してみてください。
伸ばすためにはNGな方法を紹介
一方で、髪を伸ばすために、しないほうが良いことも多々あります。
具体的に見ていきましょう。
喫煙
喫煙することで、全身の毛細血管が収縮され、血行が悪くなってしまいます。
髪の毛も例外ではなく、血行不良を起こすことで、髪の毛の成長を阻害してしまいます。
また、髪の毛だけでなく、喫煙はお肌にも悪影響をもたらすことがわかっていますので、できる限り控えるようにしましょう。
ドライヤーをかけすぎない
塗れた髪をしっかりと乾かすことはヘアケアとしても大事ですが、ドライヤーのかけ過ぎは髪を伸ばす速度に弊害を与えます。
使いすぎることももちろんですが、頭皮とドライヤーとの距離があまりに近いと、頭皮や髪の毛にダメージを与えてしまうのです。
したがって、ドライヤーをかける時は、温風だけでなく冷風を適度に利用し、乾きにくい根元からかけていくようにしましょう。
そうすることで、髪にダメージを与えすぎることなく乾かすことができます。
髪の毛を伸ばしたままにしない
早く伸ばしたいからといって、そのまま伸ばし続けていってもあまり良い効果は生まれません。
というのも、髪の毛を切らずに伸ばし続けることで、毛先のダメージが深刻化し、せっかく伸びた髪を枝毛にしてしまいます。
結果、枝毛が上へ上へとあがってしまい、伸びた部分がちぎれてしまうのです。
したがって、定期的に髪の毛先を整えてあげることが大切になります。
どんなに髪を伸ばしたくても、2~3ヶ月に1度は傷んだ部分を切ってあげましょう。
まとめ
いかがでしたか?
髪が伸びる速度は、自分次第で改善することもできます。
人によってさまざまな要因が考えられますので、ぜひ自分なりの方法を毎日の中で実践してみてください。
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