外壁塗装の工事は何日も自宅で工事をすることになるため、工期が気になります。
共働きでは家を空ける時間に作業してもらうこともあるでしょうから、できるだけ短いにこしたことはありません。
逆に留守宅でずっと作業をしてもらうのも気がひけるし、できたら休憩時間の飲み物ぐらいは用意してあげたいと思う人もいるでしょう。
では、おおよそ工期はどのくらいなのか、各工程をおさらいしながらみていきましょう。
外壁塗装の工事は何日も自宅で工事をすることになるため、工期が気になります。
共働きでは家を空ける時間に作業してもらうこともあるでしょうから、できるだけ短いにこしたことはありません。
逆に留守宅でずっと作業をしてもらうのも気がひけるし、できたら休憩時間の飲み物ぐらいは用意してあげたいと思う人もいるでしょう。
では、おおよそ工期はどのくらいなのか、各工程をおさらいしながらみていきましょう。
外壁塗装の工期目安はおおよそ8〜12日間といわれています。
しかし、建物の壁の面積、周囲の状況(広い道路に面しているか)などによって違ってきます。
足場にしても隣の建物が迫っていて組みにくい場合には時間がかかります。
工期目安を知っておくことにはどういったメリットがあるのでしょうか。
洗濯物を干すスペースが狭くなるなどの自分の生活に関係すること以外にも重要なことがあります。
悪い業者では、工期を短縮して人件費を圧縮する場合があります。
そのために十分な乾燥時間が確保できないままに上塗りするなど、欠陥工事の恐れがあります。
各工程での工期目安を知っておくと、その段階で不正の疑いがある場合に途中で説明を求めることができ、欠陥を未然に防ぐことができます。
見積りで提示される工期目安も余りにも短ければ、その段階で不正が行われているかある程度の予測ができ、不必要な工事をしていないか、逆に必要な工事を抜いていないかも見抜くことができます。
では、実際の行程ごとに見ていくことにしましょう。
外壁塗装を始めるまでに足場の組み立てなど、下準備が必要です。
足場の組み立て・解体は、塗装業者自身が行う場合もありますが、ほとんどが足場業者になります。
事前にどのような足場が適切であるか、見積りの段階で提示されているはずです。
その見積りに従い、足場の材料を用意します。
足場にはいくつかの種類がありますが、場所が狭くて単管足場しか組めない状況では工期がかかります。
一般住宅では、主に組み立てが簡単で作業効率もよいことから、くさび型足場が使われます。
次に養生のためのメッシュシートを設置します。
建築現場では、木片の落下や木の粉の飛散などを防ぐために養生シートを張りますが、塗装現場では、落下物の回避、ペンキの飛散を防ぐために設置しますが、外から葉っぱや樹の枝などが塗布面に接着する事を防ぐ意味もあります。
設置中は現場を見回り、接合部の傾きはないか、部材の緩みはないか、安全確認のパトロールを行い、作業終了後はやはり専門業者によって撤去作業・周辺の清掃が行われます。
足場が組み上がったら、高圧洗浄機を使って汚れ落としをします。
現在の外壁塗装業界では高圧洗浄は必須の工程で、高圧の水に弱い板下見(木材)やトタンの場合以外は、高圧洗浄を行うのが通例です。
高圧洗浄をしない場合は、全面をサンドペーパーなどの研磨材で擦ってからブラシでホコリを払い、ブロアで吹き飛ばします。
高圧洗浄する場合よりも手間がかかりますので、それなりの工期が必要です。
高圧洗浄を行うには、圧力は14.7MPa(150kgf/㎠)といわれています。
シャワーのように広角で壁にあてるので、壁が傷むことはありませんが、窓のカギまでしっかり閉めないと、中に水が入り込んでしまうことは考えられます。
閉め忘れがないよう、事前によく確認しておきましょう。
高圧洗浄が終わると十分乾燥を行います。この過程を短縮すると塗膜の剥がれやひび割れの原因になります。
後で説明する下地調整を行ってから塗装しなくてよい部分の養生を行う場合もあります。
また、高圧洗浄を下地調整の一部として見積りに計上する業者もあるようです。
養生(ようじょう)というのは専門用語に近いですが、塗料がついてはいけない場所などにシートやテープを張って塗料がつかないようにする作業です。
マスキングといったほうが今はわかりやすいかもしれません。
塗装工事では機械を使って吹きつけをするので、絶対に塗料や洗浄した水などが不必要なところにまで飛び散って汚してしまいます。
たとえ吹きつけでなくてローラーや刷毛を使った塗装でも、細かなところはどうしても塗料がついてしまいます。そこでマスキングテープ、ビニールシート、養生シート、マスカーなどの資材で養生します。
ドア、窓、手すり、植物、置物など細かなところまできちんと養生しているかを見極めることは、悪徳業者かどうかを見極めることにもなります。
下地調整(下地処理)は、新しい塗料が剥がれることなく、塗膜を均等につくってくれるように様々な処理を行うものです。
ヒビ割れがあれば埋めて塗料を塗りやすくする補修、壁が剥がれ落ちた部分(爆裂部分)にモルタル等をつめて平らにする補修、目地のシーリング補修(コーキング)、その他パテで埋めるなど様々な補修があります。補修箇所が多いと工数も多くなり、日程も延びてしまいます。
モルタルの場合は、しっかり凸凹をならしておかないと、新しい塗料がうまく濡れないので、仕上がりがキレイでないばかりか、すぐにはげてしまう可能性もあります。
下地材にサビがある場合はサビ止めの処理をします。
ここまで来ていよいよ塗りの工程ですが、これも塗装方法で工期に差が出てきます。
外壁塗装では、塗料をいきなり塗ることはなく、必ず下塗りをします。
これは塗料と壁の素材をよく密着させる役割を持ち、素材によっては防水機能を高める効果も期待して塗装されます。
シーラーと呼ばれるこの下塗材は、塗装面に余分に塗料が吸い込んでしまうのを止める役割もあります。
塗装面の痛みがひどい場合は、2度塗りします。
シーラーは壁の劣化が少ない場合は水性、劣化が激しい場合には油性タイプを使います。
油性のものは乾燥が早いですが、ニオイがきついことがデメリットとしてあります。
もう一つ、下塗り剤にフィラーというのがあります。
モルタルの外壁材にヘアクラックがある、下地の凸凹がひどい場合、平滑にならす為に使われます。
フィラーには水性タイプしかありません。
壁材が傷んでいる場合はシーラーを塗ってからフィラーを使う場合もあります。
最近ではシーラーとフィラーの機能を合わせた機能がある微弾性フィラーを使う場合もあります。
中塗りと上塗りは基本的には同じ塗料を使います。
上塗りと中塗りが同じ色であれば、塗りむらが出にくく、上塗りが剥がれてきても目立ちにくいというメリットがあります。
ただし、実績が少ない業者の場合や技術的に不安な業者の場合は、あえて上塗りを違う色にして、塗りむらを見つけるよう工夫することも1つの方法です。
また、中塗りを飛ばしてしまうような業者も見つけられます。
いよいよ仕上げの上塗りですが、下塗り、中塗り、上塗りと、それぞれの間にしっかり乾燥時間をとらないと重ね塗りをしている意味がありません。
乾燥時間は塗料や、気温、湿度(天候)によって異なります。乾燥時間は塗料ごとに決まっており、十分でないと、塗膜が剥がれてしまう原因となります。
雨天の場合には、作業は中止です。
また天候により工期が延長してしまっても、追加料金は発生しないのが普通です。
外壁塗装では、壁だけでなく、屋根も塗り替えることが多いと思います。
基本的には屋根も壁と同じように行います。
スレート屋根の場合には、タスペーサー(縁切り部材)を差し込みます。
タスペーサーは、スレートとスレートの間に塗料が入り込み、接着した状態になることを防ぎます。
接着した状態だと毛細管現象で吸い上げられた雨水をうまく排出できず、雨漏りの原因にもなります。
鉄部はケレンしてサビ止めを塗布します。
雨漏り箇所がすでにある、クラックがある場合には補修して下地調整を行います。
下塗りがしっかり乾いてから中塗りします。
中塗りを十分乾かしてから上塗り作業に入ります。
屋根はほとんどローラーや刷毛を使います。
最後に仕上がり状況を施主とともに確認します。
わからないときや不満が残る場合には、遠慮せず確認し、場合によっては手直しをしてもらいます。
足場業者による解体と清掃が行われて完了です。
塗装には十分な乾燥時間が必要なため、天候によっては工期が延びてしまいます。
冬場であれば、凍結するような極寒の日も作業が遅れる原因になります。
梅雨の時期などは特に日程には気をつけましょう。
雨樋など付帯部分が複雑で補修を要するような状況の時も工期が延びることがあります。
事前に自分で確認しておくことで、どの程度日数が必要か予想はつきますが、もし「補修が必要」といわれた場合は、業者と立ち会って本当に必要か、確認しましょう。
このようなことから、十分余裕を持ってスケジュールを立てる必要があるでしょう。
外壁塗装を実施する場合、見積りが終わったらほっとして業者に任せきりになることもあると思います。
つきあいも深く、信用できる業者なら問題はないですが、初めての塗り替えや、業者を今ひとつ信頼できない様な場合には、作業中も確認しながら進めていくのが、失敗しないポイントです。
そのためには作業工程とかかる日数の目安を知っておき、区切りごとに確認する工夫が必要でしょう。