外壁塗装するときにはいくつかの注意すべき点があります。
外壁がどのような素材でできているかも重要な要素です。
素材によって塗料の種類が限定される場合があり、間違った塗料を使うとすぐに剥がれてしまうこともあります。
築年数が経過した中古住宅を購入した場合は、特に慎重に塗料選びをしましょう。
外壁塗装するときにはいくつかの注意すべき点があります。
外壁がどのような素材でできているかも重要な要素です。
素材によって塗料の種類が限定される場合があり、間違った塗料を使うとすぐに剥がれてしまうこともあります。
築年数が経過した中古住宅を購入した場合は、特に慎重に塗料選びをしましょう。
建物の壁の材料として長く使用されているモルタル壁。
近年では見かけることが減ってはきましたが、まだ建物として残っているものも多いです。
まずは、モルタル壁について知りましょう。
今では作業の手軽さなどから外壁はサイディングボードが一般的になってきましたが、それまでの主流はモルタルでした。
モルタルとは、セメントに砂と水を混ぜた物で、目の細かい金網(ラス)等の上から塗りつけ、劣化を防ぐために塗装で仕上げます。
1980年代までは大変普及していました。
見た目に同じようなイメージを持つ漆喰は、日本の歴史的な町並みによく見られる光景ですが、こちらは消石灰+角又+麻スサを水で練ったもので、全く異なります。
モルタルは漆喰よりも湿気や熱気を通しにくいので、断熱性能や耐火性能などが増します。
建物の壁をモルタルで作ることには、どんなメリットがあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
モルタルは基本的にセメントなので、成分としてはアルカリ性が強く、水分の乾燥が早いため、養生の時間も手間もかかりません。
また、モルタルは乾燥することで耐水性、耐火性能が増し、家を守ります。
複雑な形状の建物であっても比較的簡単に対応できます。
また、施工方法や、混ぜる砂や繊維などの素材を組み合わせることで、たくさんのパターンを作ることができます。
このことによって、建物のデザインや周りの景観にぴったりな外壁を表現できます。
吹きつけで行われるモルタルは、どのような形状の建物であっても継ぎ目や目地がなく外壁が作れます。
サッシや玄関ドアの隙間など外壁以外の構造物と外壁の隙間以外にシーリングをする必要はなく、手間も省けます。
金属が材料の外壁では太陽光(主に赤外線)によって金属自体の温度が上昇し、家屋の中まで温度が上昇することにつながります。
そこで、高価な遮熱効果のある塗料を塗る必要があります。
モルタルの場合は、温度上昇は金属のように上昇することはありません。
遮熱効果のある塗料を塗ることでさらに効果が増し、冷暖房の経費を節約します。
次に、モルタル壁のデメリットとなる点を解説しておきましょう。
一方、モルタル壁のデメリットとしては以下のものがあります。
吹きつけは簡単といっても、細かなところや、最終的な左官仕上げやローラー仕上げには職人の技術が必要で、材料によっては水分吸収に差があり、それも考慮した作業も必要です。
吸収量が多い場合には塗料も多く必要で、コストも高くなってしまいがちです。
モルタルは水分がなくなることで硬化しますが、防水性能は余り高くありません。
何度も乾燥と湿潤を繰り返すような環境では、ひび割れやクラック、剥げ等を生じやすくなります。
そしてそこから中に雨水がしみこむ原因となります。
これには防水塗料を上から塗って防水性能を上げ、対処します。
当然、その分コストも上がります。
サイディングに比べて汚れがつきやすいため、日頃のメンテナンスも手間が必要です。
防水性能が落ちてきたら水洗いは厳禁です。
少しのヒビなら防水スプレーなどで対処できますが、クラック等が認められるまで劣化してきたら、塗り替えを検討しましょう。
近年の建物、とくに住宅の壁でよく利用される素材がサイディングです。
普及していった背景には、サイディングのもつ特徴が大きな理由になっています。
まずはサイディング壁について見ていきましょう。
現在の外壁の主流ともいえるのがサイディング(サイディングボード)を用いた外壁です。
サイディングはサイディングボードといわれる部材を壁に貼り付けて外壁を形成していきます。
現在主流の窯業系(セメントやセラミック)、金属系に加えて、木質系、樹脂系のボードがあります。
サイディングは使う材料によって耐久性能などが違うので、予算と設置後のメンテナンスを考えた選択をしないといけません。
また、モルタルと違って張り付けたボードとボードの間はどうしても隙間ができるので、シーリング材の併用は欠かせません。
サイディングを壁に使うことにもメリット・デメリットとなる点があるので、しっかりと理解をしておきましょう。
まずは、サイディングを使うことでのメリットです。
現在主流となっているセラミック系のものや金属系のものは耐火性能が高く、耐久性能もモルタルに比べて同等か、それ以上あります。
特にセラミックやALCといった素材は、衝撃にも強く、強風が吹きやすい地域では有利です。
サイディング壁は工場生産で作られるので、出来上がるものの差が少なくなります。
規格で定められた一定の大きさになっており、安定した品質のものを確保できます。
施工の際はサイディングを組み合わせていくだけなので、経験が浅い職人が施工を担当しても外壁の場所で性能差が出ることは考えにくい素材となります。
モルタルのように複雑な形状のものは苦手ですが、職人技が必要なモルタルとは違って施工の難しさはないのです。
サイディングボードを張り付け、間にシーリングをする作業なだけなので、施工期間が短いわりに性能の高い壁ができます。
ボードは運びやすい大きさに加工されているので、職人さんの作業効率もあがります。
近年、短期間で家ができる理由は、サイディング壁の扱いの簡単さにもあります。
サイディングボードはシンプルなタイル調から木目調、外見がレンガのように見えるものまで、デザインが大変豊富に揃っています。
施工主の好みや、周辺の環境に調和した外壁を選んで表現できます。
金属系のものでは、それ自体が熱を持ってしまうため、屋内が暑くなってしまう欠点があります。
壁に通気溝法などを施し、でしっかり通気ができる環境が必要です。
サイディングボードを保護する塗膜が劣化すると、セラミック系や木質系のものは水を吸収しやすくなり、シーリングも甘くなってくるため、水が中にしみこむ可能性が高くなります。
塗料の耐久性がよくても、サイディングボードの継ぎ目のシーリングに劣化が先に始まると、水を吸収し壁を傷めます。
塗り替えの時にシーリングを補修することも重要なポイントです。
では、いよいよ塗装のお話です。
モルタル壁の塗装を考えるときに知っておきたい方法や材料についてお話をしたいと思います。
基本的には専用のガンを使った吹きつけを行う「吹き付け塗装」が行われます。
吹き付け塗装で均一に塗るには職人の経験と技術が必要です。
また軒下や屋根の境界などは刷毛(はけ)を用いて塗装をします。
モルタル壁の塗装に使われる素材は、材料の異なるいくつかの種類があります。
リシンを使った壁は、表面が細かい砂の様にザラザラしているのが特徴です。
比較的安価に施工できるため、1970年代から80年代にかけて、よく用いられていました。
ざらざらした質感は独特で感じもよいのですが、汚れがつきやすく、経験を積んだ業者でないとヒビが入りやすいなどの欠点があります。
リシン壁では、リシンの砂粒の大きさを、5厘・3厘・1厘、軽量骨材等から選択する事ができ、イメージがかわります。
スタッコは、セメント系、けい酸質系、合成樹脂エマルション系などの仕上げ塗材を5~10mm程度の厚さで吹き付けたもので、高級感ある外壁となります。
モルタルと同様に塗装面の凹凸があり、汚れやすい特徴があります。
注意したいのは塗り替え時に、塗料の吸い込みが非常に多く、塗料も大量に消費してしまうので、案外高くつくこと。
また、スタッコの塗り替えに使用する塗料は、透湿性を持った塗料を選ばないと湿気による塗膜の膨れを招きます。
このように、スタッコ壁の外壁塗装にはモルタルと比較して注意すべき事項がたくさんあります。
吹き付けタイルは、アクリルタイル・シリカタイル・エポキシタイル・弾性タイルなど1~3ミリ程度の厚さで吹き付けたものです。陶磁器調の外壁仕上げがあります。
スタッコと同じように「吹き放し仕上げ」と「ヘッドカット仕上げ」があります。
吹付けタイルの粒の大きさは、吹付ガンのチップ口径の大きさによって変更でき、質感を変えることも可能です。
塗り替え時は、リシンやスタッコに比べ、塗料の吸い込みがなく、作業員の手間もかからないので、比較的作業期間が早く済みます。
高耐久性シリコン系・フッ素系等のトップコートを組み合わせることで、耐久性を増すこともできます。
モルタル壁の塗装では吹きつけができるので、外壁塗装は早く済ませることができますが、ローラーや左官仕上げといった方法も用いられます。これらの方法は塗り替え時に用いられることが多いようです。
ローラー仕上げではパターンローラーを使う、左官仕上げでは、コテ仕上げ・櫛目引き仕上げを使うことによって、独特の風合いを出すことができます。
モルタル外壁は、それなりの耐久性はありますが、定期的なメンテナンスを行わないと、外壁の劣化は避けられません。
また、スタッコ・土壁調仕上げ(ジョリパット)等、種類によって塗り替え時の塗料の使用量が大きく異なり、吸い込みの多い塗装の場合は透湿性塗料も併用する必要があります。
リシンやスタッコ、ボンタイルなどのモルタル壁に使用できる仕上げ剤の特徴や費用については、こちらの記事にも詳しくまとめています。
あわせてご覧ください。
サイディング壁の塗装の際にも、方法や材料などは知っておきたい情報です。
主にローラーや刷毛を使った方法を使います。シーリングが重要なため、コーキングや下塗りはきっちりしているかポイントになります。
業者では下塗りの色を変えて塗ることで確認しやすくしています。
サイディング壁の場合、モルタル壁ほど選択肢が多くなく、選ぶことはできません。
ただし、サイディング壁の場合、壁の施工方法にも気をつけながら塗装剤を選ばなくてはいけません。
サイディング壁そのものの材料の違いで種類があります。
ご自宅の壁に使われているサイディング壁も、このいずれかにあてはまります。
サイディング壁が普及したタイミングで一番取られていた工法が「直貼り方法」ですが、この工法事態に問題があります。
この工法の場合、建物の躯体そのものとサイディング壁の間に通気層がなく、湿気によりサイディング自体が大きく劣化し塗装もダメにしてしまうのです。
そこで現在は問題が起きない「通気工法」がを取るように推奨されているため、塗装以前にサイディングの張替えが必要になるのです。
先ほどもお話しした通り、サイディング壁で使える塗装剤は弾性系の物が使えないため少ないです。
その原因となる理由は、サイディングの以下の特徴にあります。
仮に、弾性系の塗装剤を塗るとどうなるのでしょうか。
こういったことが起きてしまうため、弾性系の塗料は使えないのです。
塗装剤の中でも高額とされる部類の「フッ素系塗料」ですが、サイディングへの塗装でも問題が起きないため、おすすめです。
高価な分、高い耐久性と耐熱性、防水性をもっており、サイディング壁のデメリットとなる点を補ってくれるからです。
ただし、高額になる塗料のため、悪徳業者が目をつけて提案をしてくることもありますので、きちんとプロの目による判断が必要です。
こちらも高額ではありますが、近年塗装剤として注目を集める「ガイナ」もサイディングの塗装には適しています。
ガイナの特徴をまとめると以下のようなポイントが見られます。
特に、紫外線を90%反射することで得られる遮熱性能、防露効果が非常に防露性能、塗装材の中でも随一の耐久性能は、サイディング壁・建物自身を長持ちさせるためにとても効果的です。
一点、取り扱いのある業者、施工技術に長けた職人が見つかりにくい点がネックにはなります。
ガイナについては、別記事で詳しくまとめています。こちらも参考にしてみてください。
近年多い外壁そのものの素材には、モルタル壁のものと、サイディング壁のものが見られます。
どちらにもメリット・デメリットがあるのですが、定期的な外壁のメンテナンスがどうしても必要という点は同じです。
また、外壁の素材によって使用できる仕上げ剤の種類や、塗装にかかる費用など、大きく異なってくる点もあります。
すでにお持ちの家の塗装のを考える際は、外壁の素材がモルタル壁なのかサイディング壁なのか、判断する所から初めましょう。
外壁塗装の素材によって利用できる素材には種類があります。
しかし、おかれる環境や目的によっても素材選びの方法は異なります。どうしても知識や経験のあるプロの判断が必要になるのです。
また、十分に耐用年数を保たせるためには塗装剤を塗る職人の腕も必要となってきます。塗った人の腕に問題があったり、手抜きをされると、本来の耐久年数を満たす前に塗り直しが必要になることだってあります。
身の回りに外壁塗装に詳しい人がいればいいのですが、残念ながらそのような方は少ないでしょう。
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