FX取引

「ファンダメンタル分析」金融政策・要人発言と為替相場の関係

金融政策について

はじめに

各国の中央銀行が行っている金融政策は、為替相場に影響を与えるものの一つです。ファンダメンタル分析の中では、この金融政策が経済指標と要人発言に並んで非常に重要とされています。

ここではFXを行うために金融政策がどのようなもので、どの点に注目すればよいのかをご紹介します。

金融政策とは

金融政策は、各国の中央銀行が経済の動きを調整するために市場に出る通貨量を調整することで物価の安定を図ります。

このとき金融緩和か金融引き締めが必要なのかを経済状況を見て判断していきます。そして為替相場では、利上げと利下げ(金利の引き上げと引き下げ)が注目されます。

この政策金利は景気が過熱すると利上げを行い、それによってローンなどの金利も引き上げられるので、車や住宅といった大きな買い物の買い控えが起きて、消費を抑制するようになります。

このような調整を行うことで安定的で緩やかな経済成長が行われるようにします。

一方で景気が後退気味の場合は利下げを行い、ローンなどの金利も引き下げられるので、先ほどとは逆の行為が起こります。つまり車や住宅などが金利に引き下げで買いやすくなるので消費が促進される効果があります。

これにより景気が回復するように調整します。この顕著な例は2008年のリーマンショックです。各国はその後の経済失速を防ぐために、金利を引き下げました。

金融政策によって、為替相場が変動する理由

政策金利の利上げと利下げで経済成長を調整することがわかりました。しかしこれがどのように為替に影響するのでしょうか。

その具体的な例を日本と米ドルのペアで考えてみましょう。

例えば、現在でも日本円の金利は低く、米ドルの金利は低金利と言われていても日本よりは高いですね。

そのため投資家はより有利な金利のために、日本円を売り米ドルの資産比率を上げようとします。そうなると円売り、ドル買いという動きになり結果的に為替は「円安・ドル高」という状態になります。

これが逆なら「円高・ドル安」になります(円買い・ドル売り)。政策金利が為替レートに影響するのはこのような理由からです。

スワップ・ポイントと政策金利の関係

FXで取引するとスワップ・ポイントと呼ばれるものが出てきます。

これはスワップ金利とも呼ばれ、安い金利の通貨を売って高い金利の通貨を買うとそのポジションを維持するときに金利差分の利息がつく仕組みです。

逆の高金利通貨を売り、低金利通貨を買う場合は金利差の利息を支払わないといけません。

スワップ・ポイントは政策金利に影響されると言われることがありますが、本来は違います。このスワップ・ポイントはインターバンク市場の金利が元になっています。

このインターバンク市場は銀行間取引市場のことで、参加者は銀行を中心とする金融機関が主になっています。このインターバンク市場の金利は短期市場で決まるので、日々変動することもあります。

また、短期市場金利は政策金利が元になっているので、間接的には政策金利でスワップ・ポイントが決まるといっても大きな間違いではありません。

ただし政策金利が変わったからといって、スワップ・ポイントが必ず変わる訳ではありません。そこは注意する必要があります。このスワップ・ポイントは各FX会社によっても異なります。

最後に

金融政策が変わると為替レートが動くことがご理解いただけたでしょうか。大きく変わる時は政策金利や量的緩和の発表です。

この発表が当初の予想と違う内容で発表されても、為替マーケットは大きく動く場合があります。

そして金利差が3%以上になると資本移動が起こりやすいと言われるので、金融施策もよく見て取引をするようにしましょう。

要人発言について

はじめに

為替相場は各国の中央銀行が行っている金融政策によっても変わるとお伝えしました。ただし、それだけが原因で相場が大きく動く訳ではありません。もう一つの要因として要人発言と呼ばれるものがあります。

これは、国の経済政策に影響がある大臣や関係者、金融政策を行う中央銀行の総裁や関係者など、その国の要人発言によって大きく動くことがあります。

例えば、日経の2016年7月21日発表では「日銀の黒田東彦総裁が財政資金を供給する『ヘリコプターマネー』について可能性がないと発言したと伝え、金融政策に期待が後退した」という記事がありました。

この発言により外国為替市場で円相場が対ドルで105円台を付ける円高・ドル安に振れた、としています。

このような発言が景気の現状や今後の見通しなどを考えるとき、金融政策に関してもある程度明らかになる(方向性や予想の現実化)ので為替相場が動きます。投資家はその発言に注目して取引をすることがあります。

ここでは金融政策以外に相場を動かす要因として要人発言について解説します。

為替相場に影響を与える要人は、その国によっても多少変わりますが大抵は中央銀行総裁、経済政策担当大臣や首相、大統領といった人物です。

各国における要人発言は国によって異なります。以下をご覧ください。

日本

日本では先ほどの例でも出た、日本銀行総裁(黒田総裁)や副総裁、財務大臣(麻生大臣)、財務官(三木 亨/杉 久武)です。

財務官は財務大臣及び副大臣に次ぐ財務官僚で、現実的に円買い・円売り介入の権限を持っています。

米国

米国は、よくニュースなどでも聞かれるFRB(米連邦準備制度理事会)議長、理事です。FRBはFederal Reserve Boardの略で、アメリカの中央銀行制度を司る私有企業体です。

日本でいうと日銀に近いのですが、連邦準備制度(Federal Reserve System)はこのFRBと連邦準備銀行から構成されています。

厳密にいうと日銀が現金の供給と決済サービス・金融政策運営・金融システム安全確保・国の事務取扱などを行うことに対して、アメリカはこの2つの組織で行います。似ていますが少し機能が違います。

現在FRB議長はジャネット・ルイーズ・イエレンでFRB史上初の女性議長です。

 

余談ですが、グリーンスパン元FRB議長の発言が未だに注目されることがあります。彼は現在議長ではない立場として発言するので金融のプロとしての発言に注目されます。

ごく最近のコメントとしては、「米国の金利は今後急速に上昇する」と見ているとの報道に対して彼の結論は2つ、「現在の低金利は長くは続かない」そして「ユーロ圏は分裂する」でした。

欧州(ユーロ圏)

ユーロ圏は、ECB(欧州中央銀行)総裁と理事です。このECBは、ユーロ圏17か国の金融政策を行う中央銀行です。そのため世界の中でも重要な位置付けとなっています。

また、総裁をトップとする役員会とその構成員、各国の中央銀行総裁(欧州中央銀行制度下の)の政策理事会により運営されている組織です。

このECBは外国為替市場介入やユーロ圏の準備通貨の運用が業務に含まれるので、当然総裁や理事の発言に注目が集まります。現在のECB総裁は、前イタリア銀行総裁のマリオ・ドラギ氏です。

その他の要人

第14代FRB議長を務めたベン・バーナンキ氏(米国経済学者)やドイツのメルケル首相(ギリシャ債務問題に関する強硬な姿勢などが影響)なども影響があります。

エコノミスト誌などが掲げる影響力のある経済学者として、以下の人物をあげている場合もあります。

  1. トマ・ピケティ(Thomas Piketty)
  2. ポール・クルーグマン(Paul Krugman)
  3. ジョセフ・スティグリッツ(Joseph Stiglitz)
  4. ジェフリー・サックス(Jeffrey Sachs)
  5. アマルティア・セン(Amartya Sen)

その著名で有名な方もいらっしゃいますが、いずれも直接的、間接的に影響があります。

要人発言が及ぼす影響

要人発言は、近い将来や現在の経済の見通しなどについて報道されることが多いでしょう。今後の見通しや行動方針が良い方向であれば為替レートは上昇し、悪いと下降します。

ただし、要人発言による発表が経済指標をプラスとしていても、実際の相場はマイナスに動くこともあります。

また失言によっても相場が動こともあり、この要人発言は常にチェックしたほうが良い要因の一つです。

為替相場はこのように金融政策や要人発言などによって動くことがありますので、常に注目しておきましょう。

ABOUT ME
Arima
2014年からデイトレーダーやってます。 FXと株で毎日コツコツ頑張ってます。 nanairoでは主にお金・節約術に関する記事を執筆しています。