FXを取引すると言っても取引手法は様々ですが、そのうちの一つに「デイトレード」があります。
FX初心者の方でもコツをつかめば取引できますから、デイトレードの基本をしっかり頭に入れておきましょう。
デイトレードとは?
デイトレードは短期売買の一種ですが、その詳細を見ていきます。
デイトレードとは、1日の中での値動きを利用して利益を狙う取引手法
デイトレードとは、為替レートの動きを利用して売買利益を狙う取引手法ですが、新規⇒決済注文成立までが1日内で終わる取引です。
1回の取引でたいてい数十pips~数百pipsの利ざやを狙い、1日に数回取引することで利益額を増やしていく取引スタイルになります。
なぜ1日内でポジションを決済してしまうかと言いますと、安心して寝るためです。ポジションを保有しながら床に就くと、為替相場が気になって眠れないことも。
しかし、寝る前に決済してしまえばそんな心配は要りません。
FXのデイトレードは、株よりも手軽!?
デイトレードはFXだけでなく株取引でもできる取引手法なのですが、株投資におけるデイトレードよりもFXデイトレードのほうが手軽にできるのが特徴です。
株投資をしたことがある方はご存知かもしれませんが、株売買では「差金決済」が禁止されています。
株を購入した日から3日後に株を受け取る仕組みとなっており、たとえば10万円の株を買ってすぐに売っても、10万円があらためて使えるようになるのは3日後なのです。
ですから、株でデイトレードをする場合、相当な資金が求められます。多額の資金がなければデイトレードが成立せず、確実に利を伸ばすことが難しいのです。
一方で、FXは差金決済取引ですから、株取引のように資金が拘束されるようなことはありません。
思うがままに何度でも取引できるので、効率よくデイトレードができるメリットがあります。
デイトレード最大のメリット「安全性が高い」
FXやデイトレードと聞くと危険な取引とイメージする方が少なくないようですが、実は安全性が高い取引手法なんです。
それはリスクがないということではなく、リスクコントロールしやすい取引手法、という意味です。
ちょっと例を挙げて考えてみます。
車を運転しているあなたが10分運転するのと、1時間の運転、そして2日間運転するのでは、どれが交通事故に遭う確率が高いと思いますか?
間違いなく2日間運転するのが交通事故の確率は高くなります。
要は、運転時間が長ければ長いほど交通事故のリスクが高くなるということです。
実はFXにも同じようなことが言えるのですが、ポジション保有時間が長くなるほどアクシデントに遭う確率が高くなるのです。
もちろん、FXには長期保有という手法があるのですが、長期保有する場合はそうしたアクシデント要素を見込んで万全の態勢で取引にのぞむことになります。
デイトレードは1回の取引時間が相対的に短く、ポジション保有時間はどんなに長くても日をまたぐことがありません。
内外部の為替要因の影響を最小限にとどめられるデイトレードには、「安全」というメリットがあるわけです。
デイトレード手法のコツは?
デイトレードで実際にFX取引するときは、売買ルールに従うことと値幅にこだわり過ぎないことが重要な要素となります。
売買ルールに従う
デイトレードは手軽に取引できるとはいえ、ただただ新規注文と決済注文を繰り返しているだけではなく、売買ルールに従って取引します。
今の為替相場で「買い」からエントリーか「売り」でエントリーかを決めた後は、エントリーするレートを決定します。
そして、エントリーのときには利確レートと損切りレートを決めておき、想定レートに達したときは迷わず利確または損切りを行うのです。
売買ルールを守らずに取引すると、結果的には損失が大きくなることがほとんどです。売買ルールに従ってトレードすることを心がけてください。
値幅にこだわり過ぎない
また、値幅にこだわり過ぎないことも重要です。エントリーした時に利確レートは決めていたものの、為替レートが明らかに反対に動き出してしまった場合は、利益確定してしまいましょう。
利確レートを何が何でも守るというのではなく、ケース・バイ・ケースで臨機応変に対応する柔軟性が必要だということです。
デイトレードに向いている通貨ペアは?
デイトレードで取引の対象となる通貨ペアには、一定の条件があります。
為替レートの値動きを利用して稼ぐ手法ですから、レートがある程度動いてくれる通貨ペアでないといけません。
また、取引回数が多くなるのが特徴のデイトレードですから、なるべくスプレッドが狭い通貨ペアを選択しなければなりません。さもないと、取引コストが大きな負担となってしまいます。
そうした条件を鑑みると、
- 米ドル/円
- ユーロ/円
- 英ポンド/円
- 豪ドル/円
- ユーロ/米ドル
以上の通貨ペアがデイトレードにより相応しいと言えます。試してみて下さい。
デイトレードに利用するチャート
デイトレードにおいて、ローソク足で形成された為替チャートを見ながら取引するのは基本ですが、短期売買であるデイトレードでのメインチャートは5分足になります。
しかし、トレードを始める前に日足、60分足を確認し、為替レートの方向性を確認することが重要です。方向性を頭に入れつつ5分足で取引するなら、確実な相場分析ができます。
売買のタイミングは?
デイトレードにおける売買タイミングは様々ですが、そのうちの一つを例を挙げて説明します。
為替チャートに「ボリンジャーバンド」というテクニカル指標を表示させます。そして、以下の手順でエントリーと利食いをします。
+2σから+1σに反落
センターランイン方向に動き出したら順張りでエントリー
+2σに到達し反落したら利食い
以上の方法は買い⇒売りで利益確定する方法でしたが、その逆でも利益を狙えます。つまり、
-2σから-1σに上昇
センターライン方向に動き出したら順張りでエントリー
-2σに到達し反発したら利食い
あくまでも一例に過ぎませんが、こうした売買タイミングをマスターすれば様々な為替環境でも稼ぐことができるはずです。
デイトレードの注意点
デイトレードでありがちなのが思いつきで売買することですが、感情がままに売買することは絶対やめましょう。上述しましたが、売買ルールに従って取引することが条件となります。
エントリーライン
利益確定ライン
損切ライン
この3点をしっかり決めてトレードすることが大切です。
そして、エントリーは成行で行い、利益確定は指値注文を、損切りは逆指値注文で行うのが基本です。しかし、利確ラインに届かず反落してしまった場合は、成行で決済してしまいましょう。
これらを習慣的に行えるようになれば、あなたも一人前のデイトレーダーです。
デイトレードに向いた時間帯
デイトレードに必須の条件に「為替レートが良く動くこと」がありますが、同じ通貨ペアでも時間帯によってさらに良く動く時間帯というものがあります。
とりわけ3つの時間帯を頭に入れておき、自分のライフスタイルに応じてトレードすることにしましょう。
東京市場:午前9時~11時
ロンドン市場:午前16時~18時(夏時間 15時~17時)
ニューヨーク市場:22時~24時(夏時間 21時~23時)
いずれも世界3大市場のオープン前後の時間帯であり、取引参加者が多くなることから為替レートの動きが活発化します。デイトレードするには最適な時間帯ですから、いずれかの時間帯で取引したいものです。
また、スポットの時間帯で覚えておきたいのは、以下の時間帯です。
15時:東京オプション取引でレート変動が大きくなることも
深夜1時(夏時間は午前0時):ロンドンフィキシングで値動きが活発に
この時間に必ずレート変動が大きくなるというわけではありませんが、ときどき変動率が高まりますので、覚えておいて損はありません。
まとめ
デイトレードでよくありがちな失敗ですが、デイトレードがいつの間にかスイングトレードに、スイングトレードがいつの間にか長期運用に、というもの。
つまり、日をまたがずにトレードするのがデイトレードですが、利確や損切りをしっかり行わなかった結果、トレード手法が様変わりしてしまうわけですね。これは明らかな失敗例です。
デイトレードでは取引ルールをしっかり守ることを決意する必要があります。その点を肝に銘じて取引していきましょう。