2016年1月からマイナンバー(個人番号)制度の運用が開始されました。またマイナンバー記載カード(通知カード)が個人に送付されるなど、行政でも徐々に運用を軌道に乗せようとしています。
またFX取引をされている方は今年からマイナンバーを無視できません。税に関して行政がマイナンバーを使うので、FX会社から税務署に提出する支払調書に顧客のマイナンバーを記載する義務が生じました。
ここではマイナンバーとFXの関係について解説します。
この記事の目次
FX口座開設の流れに、マイナンバーの通知が追加
FX会社が顧客のマイナンバー記載を義務付けされていますが、FX会社を利用している方は自分のマイナンバーを通知しないといけなくなります。
FX口座を自分が取引したいFX会社に開設する場合はオンライン上(郵送もありますが)で申し込みを行います。園ときにどの会社でも必ず本人確認書類を提出する必要があります。
本人確認書類は運転免許書、保険証、住民票、パスポートなどです。銀行口座を開設する時と一緒です。FX会社は記載事項と本人確認提出書類を審査して、問題がなければ口座開設します。
その後にIDやパスワードが送付されて、入金したらすぐスタートできるようになります。2016年以降はこの流れの中にマイナンバー通知が加わるというイメージです。
オンライン上で申し込みフォームに必要事項を入力して本人確認書類を送付(場合によっては画像を送付する)して1週間程度で口座開設が完了するタスクにマイナンバー通知というものが加わっただけです。
マイナンバー通知のタイミングは?
2016年1月1日以降はFX口座を新たにする場合はこのマイナンバー通知をしなければなりません。日本国内のどのFX会社でも同様です。
ただし2015年12月までに口座を開設している方や今まで既にかなりの年月FX取引をされている方は3年の猶予期間の間に通知すればいいとされています。
実は制度が完全に義務化されるまでには3年間の猶予期間を行政が設けており、いきなり2016年にマイナンバー制度が施行されたからといってどのFX会社もそれに対応できるわけではないからです。
猶予期間に関してはFX会社によっては2015年12月の段階で通知が必要な会社もあります。一律同じ動きという訳ではありません。
また通知を行わないことでどの程度法的拘束力があるのかはまだわかりませんが、今後口座開設される方はマイナンバー通知をしないとFX取引ができないことだけははっきりしています。
以下に各FX会社のマインアンバー通知のタイミングをまとめました。参考にしてください。
<表1各社のマイナンバー通知のタイミング>
口座開設時期・FX会社名 | マイナンバーの通知のタイミングについて | |||
口座開設前・後 | 通知方法 | |||
口座開設前 | SBI FXトレード | 前 | インターネット申し込みフォームで情報を入力した後、本人確認書類を送付する時に通知する | |
DMM.com証券 | 前 | インターネット申し込みフォームで情報を入力した後、本人確認書類を送付する時に通知する | ||
YJFX! | 前 | インターネット申し込みフォームで情報を入力した後、本人確認書類を送付する時に通知する | ||
口座開設後 | 外為どっとコム | 後 | 取引システム内通知 | |
セントラル短資FX | 後 | マイページから通知 | ||
どちらでもかまわない | GMOクリック証券 | 前 | インターネット申し込みフォームで情報を入力した後、本人確認書類を送付する時に通知する | |
後 | マイページから通知 | |||
JFX | 前 | インターネット申し込みフォームで情報を入力した後、本人確認書類を送付する時に通知する(申し込みフォームの中で行う) | ||
後 | 専用フォーム・メールで通知 | |||
ヒロセ通商 | 前 | インターネット申し込みフォームで情報を入力した後、本人確認書類を送付する時に通知する(申し込みフォームの中で行う) | ||
後 | 専用フォーム・メールで通知 | |||
上記の表のように口座開設前、後、どちらでもかまわないの3つのタイプがあります。
各社とも運用方法が違うようですが、新規口座開設する場合に必須にされている会社、開設後に追加する会社、どちらでも対応できる会社のいずれかになります。
またマイナンバーを手入力するかどうかについては各社対応が違いますので開設時にご確認ください。
マイナンバー確認書類の提出方法は、アップロードがおすすめ!
マイナンバー通知のタイミングは会社によって違います。口座開設前とどちらでもかまわないというタイプ(口座開設前を含むから)がほとんどのようです。
口座開設前(どちらでもかまわないも含む)場合は本人確認書類を送付する時通知することが一番多いパターンです。マイナンバー確認書類は各社以下の表のように対応しています。
<表2各社のマイナンバー確認書類>
口座開設時期・FX会社名 | マイナンバー確認書類について | |||
提出必要・不要 | 書類の種類・提出方法 | |||
口座開設前 | SBI FXトレード | 必要 | ●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロード・メール・FAX・郵送 |
|
DMM.com証券 | 必要 | ●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロード・メール・FAX・郵送 |
||
YJFX! | 必要 | ●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロードのみ対応 |
||
口座開設後 | 外為どっとコム | 不要 | - | |
セントラル短資FX | 必要 | ●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロードのみ対応 |
||
どちらでもかまわない | GMOクリック証券 | 必要
(口座開設前) |
●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロード・メール・FAX・郵送 |
|
必要
(口座開設後) |
●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロード・メール・FAX・郵送 |
|||
JFX | 必要
(口座開設前) |
●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロード・メール・FAX・郵送 |
||
必要
(口座開設後) |
●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロード/メール |
|||
ヒロセ通商 | 必要
(口座開設前) |
●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロード・メール・FAX・郵送 |
||
必要
(口座開設後) |
●通知カード/個人番号カード/マイナンバー付きの住民票のいずれか
●アップロード/メール |
|||
本人確認書類は各社で少しずつ違いますが、口座開設後に確認する以外は、通知カードか個人番号カード、マイナンバーが付いた住民票のいずれかを提出することができます。
既に個人カードをお持ちの方ならそれがいいでしょうが、個人カードは申請して初めて取得できる仕組みです(マイナンバー付き住民票も最寄りの市役所などに取得する必要がある)。
確認書類を提出するときですが、アップロード(専用フォーマットにアップロードする仕組み)か、メール添付、FAXや郵送から選べます。一番早くて安全な方法は専用フォームからアップロードする方法でしょう。
大抵はSSL(暗号化)されているのでセキュリティ対策がされているはずです。中にはアップロードのみ(インターネット経由で申し込む場合)というFX会社がありますのでご注意ください。
本人確認書類とマイナンバー確認書類の組み合わせ
本人確認書類は各社も色々な対応をしています。それぞれマイナンバー確認書類との絡みについては顔写真ありの時は1種類、なしの場合は2種類提出など顔写真があるかないかによっても提出する書類が違うので少し注意して見てみましょう。
<表3各社の本人確認書類>
口座開設時期・FX会社名 | 本人確認書類について | |||
個人番号カードによる確認 | 提出書類の詳細 | |||
口座開設前 | SBI FXトレード | 可能 | ●個人番号カード以外の場合は1または2種類の本人確認書類を提出
◆通知カードの場合は顔写真付き本人確認書類1種類、顔写真なしの場合は2種類提出 ◆マイナンバーがついた住民票の場合は、顔写真有無どちらでも本人確認書類1種類提出 |
|
DMM.com証券 | 可能 | ●個人番号カード以外の場合はマイナンバー確認書類に加えて顔写真付本人確認書1種類提出
◆本人確認書類が顔写真なしの時は2種類必要 |
||
YJFX! | 可能 | ●個人番号カード以外の場合はマイナンバー確認書類に加えて顔写真付本人確認書1種類提出
◆本人確認書類が顔写真なしの時は2種類必要 |
||
口座開設後 | 外為どっとコム | 不可 | 個人番号カードやマイナンバー付き住民票以外の本人確認書類を1種類提出 | |
セントラル短資FX | 可能 | 本人確認書類1種類提出 | ||
どちらでもかまわない | GMOクリック証券 | 可能(口座開設前) | ●個人番号カード以外の場合はマイナンバー確認書類に加えて顔写真付本人確認書1種類提出
◆本人確認書類が顔写真なしの時は口座開設後にマイナンバーを通知 |
|
口座開設後 | - | |||
JFX | 可能(口座開設前) | ●個人番号カード以外の場合はマイナンバー確認書類に加えて顔写真付本人確認書類を提出
◆通知カードやマイナンバー付き住民票(コピー)の時は本人確認書類が顔写真なしの時は2種類提出 ◆マイナンバーがついた住民票の場合(原本を郵送)は、顔写真有無どちらでも本人確認書類1種類提出 |
||
口座開設後 | - | |||
ヒロセ通商 | 可能(口座開設前) | ●個人番号カード以外の場合はマイナンバー確認書類に加えて顔写真付本人確認書1種類提出
◆本人確認書類が顔写真なしの時は2種類提出する |
||
口座開設後 | - | |||
複雑に見えますが、口座開設する前に提出することが可能なグループを見てください。そうすると2つのパターンがあります。
①通知カード、マイナンバーがついた住民票を提出する場合は顔写真がない
そのために顔写真が付いた本人確認書を1種類か、顔写真がついてない本人確認書類を2種類用意する必要があります。
②個人番号カードを提出する場合は顔写真がついている
個人番号カードの両面をコピー(画像にして)提出すれば、本人が確認できてマイナンバーも通知することができるので1種類で済みます。
②の場合がFX口座を作るなら非常に便利です。
FX口座開設に便利な「個人番号カード」は申請しないともらえない!?
個人番号カードを作ればマイナンバーと本人の顔写真を確認することが可能なので運転免許書などと同じで本人が確認できる身分証明書として有効です。FX口座を開設する場合はこの個人番号カードが便利でしょう。
<マイナンバー表見本>
<マイナンバー裏見本>
上記は地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の見本ですが、マイナンバー通知カードが到着した後に市区町村に申請して発行してもらい入手します。
機構による発表では、しばらくは発行時期ははっきりしないという情報が掲載されています。
ニュースでも話題になりましたが、発行自体は各自治体で混乱している状況で少し時間がかかるかもしれません。発行時期については各自治体に確認するといいでしょう。
「通知カード」 「マイナンバー付き住民票」と本人確認書類
すでに個人番号カードをお持ちの方は問題ありませんが、多くの方が通知カードやマイナンバー付き住民票を提出することになるはずです。
通知カードかまたはマイナンバー付き住民票のどちらかを選択すると、顔写真がついた本人確認書類として運転免許書かパスポートのいずれかを提出します。
また顔写真がない本人確認書類の場合(例えば保険証や住民票など)は2種類の本人確認書類を合わせて提出する場合が多いようです。
顔写真があるかないかによって提出書類が1種類増えると理解しておけばいいでしょう。
ちなみに個人番号カードなどを使わずに顔写真もない本人確認書類で口座開設した場合(その方法で開設可能なFX会社の場合)は、開設した後にマイナンバーを提出する必要があります(例えばGMOクリック証券など)。
つまり口座開設前にマイナンバー通知をするときは顔写真ありの本人提出写真を提出するか、2種類の顔写真なしの本人確認書類を提出することが必要です。
FX会社によっても異なりますが、顔写真があるかないかによってだいぶ提出書類は簡素化されると考えたほうがいいでしょう。
もちろん代表的な提出書類をご紹介しただけなので、ご自分で取引したいFX会社に確認してください。
JFXとヒロセ通商は、申込フォームの中に提出画面あり
口座開設前にマイナンバーを通知する場合は、多くのFX会社が口座開設申込完了後に、別途登録メールにマイナンバー通知書類と本人確認書類の提出先であるアップロードフォームか送付先のメールアドレスが送られてくるようです。
このフローはマイナンバー通知を後で行う方法です。一方でJFXとヒロセ通称だけは口座申し込みフォーム中に、既にマイナンバー確認書類と本人確認書類をアップロードできるようになっています。
もちろん郵送やメールという方法も選べるようになっています。以下はヒロセ通称の口座申し込みフォームの一部です。
<ヒロセ通称の口座開設申込フォームの本人確認書類及びマイナンバー確認フォーム>
この2つのFX会社は口座開設完了した後の通知も可能です。
そのときは開設後に専用のアップロードフォームやメールで受け付け可能になります。
