FXの注文方法の中で「指値注文」がありますが、変動する為替相場の中で確実に売買を行う上で重宝すべき注文方法になります。指値注文とはどんな注文方法なのか見てみましょう。
FXで納得の価格で注文する「指値注文」
指値注文とは、価格を指定して発注する注文方法です。自分が買いたい(売りたい)レートで発注できますので、「とにかく売買したい」気持ちで成行注文するよりも納得の価格で注文できます。
ただし、売買レートを指定しますので、そのレートに達しないと通貨を売買できない可能性があります。
「買い」の指値注文を発注するときは、現在レートよりも低い価格で注文し、「売り」の指値注文では現在のレートよりも高い価格で注文することになります。
たとえば、1ドル110円の時に「109円になったら買う」や「111円になったら売る」というのが指値注文です。
指値注文の活用例を紹介
指値注文の基本がわかったところで、どのように活用できるか見ていきます。
買い注文
米ドル円通貨ペアを取引するとします。現在のレートは110円前後で、今後レートは円安に向かっていくと思うので「109円になったら買い」という指値注文を発注します。実際にドル円レートは109円に達しドル円の買いポジションを持つことができました。
FX取引は新規注文だけでなく決済注文が約定するまででワンセットです。ポジション保有をしたら今度は決済注文を発注しましょう。
ドル円レートは円安に向かっていくと予想し、「111円になったら今の買いポジションを売る」という決済注文を発注します。そしてレートが111円になり決済注文が成立しました。結果、2円の利益幅を取ることができたのです。
これが新規買い⇒決済売りという流れの中での指値注文になります。
売り注文
次に、新規売り⇒決済買いの流れの中での指値注文を見てみます。
上の例と同じく米ドル円取引をしているとき、レートは110円前後で推移していました。今後円高に向かっていくと予測し、「111円になったら売る」という指値注文を発注します。実際ドル円レートが111円になり、見事売りポジションを保有することができました。
次は保有したポジションを決済します。保有中のドル円売りポジションを「109円で買う」という指値注文を発注します。ドル円レートが109円に達し、ポジションを決済することができました。
これが新規売り⇒決済買いの指値注文の一例です。
指値注文の取引手順
指値注文を発注するときの流れを確認しておきましょう。指値注文は以下のステップで発注することになります。
- 通貨ペアの選択
- 取引数量の選択
- 「買い」または「売り」の選択
- 注文レートを指定
以上の流れになります。
指値注文発注時にときどき間違えるのは3)の「買い」または「売り」の選択です。これから円高になると予測していれば「売り」の指値注文を出すべきですが、気づかないうちに「買い」を選択していたということがあります。
また、注文レートを110円とするところを誤入力で「100円」にしてしまったというような、単純ミスも。
いずれにしろ、指値注文における4つのステップで一つでも選択や指定レートを間違うと、損失を被る可能性があります。発注前に注文内容をしっかり確認してください。
また、上の4ステップは「新規の指値注文」のステップです。取引を完了するには「決済の指値注文」を発注する必要がありますので、その点をお忘れなく。
指値注文の注意点
指値注文を発注する上で注意したいのは、指定レートに達さないと注文が成立しないということです。売買したいレートを発注できれば自分が納得できるレートでポジション保有ができますが、発注価格に達さないならば取引がスタートできないのです。
成行注文はレートを指定しない分すぐに注文が成立しますが、指値注文は納得の通貨価格を指定できる分注文成立がいつになるかわかりません。
そのときの為替レートの動きや為替相場の様子を見て指値注文と成り行き注文を上手に使い分ける必要があるでしょう。
また、指定したレートが現在のレートからあまりにも乖離していると、やはり約定の確立が低くなってしまいます。
指値注文における指定レートは今の相場動向から見てふさわしいものか考え、なかなか注文が成立しない場合は、指値注文の内容を若干調整する必要があるかもしれません。
指値注文のメリットを活かして取引することを心がけましょう。
まとめ
FXの注文方法の逆指値注文、OCO注文、IFD注文などはすべて指値注文がベースとなっています。
指値注文を使いこなせるよう、この記事の要点をしっかり頭に入れて、さっそく指値注文でFX取引を体験してみましょう。
メリット・デメリット
メリット:希望価格での発注ができる
デメリット:レートが注文価格に達さない限り注文が成立しない