モメンタムとは「Momentum」と表記し、日本語では「勢い・はずみ」という意味です。相場の勢い(強弱または反転の目安)となる水準を測るテクニカル指標の一つです。
モメンタムを求める場合は、当日の終値-n日の終値として、ゼロ以上なら強気、以下なら弱気相場というように判断します。
売買タイミングを把握すると同時に相場上昇の勢いが弱くなっているのか、相場下降の勢いが強くなっているのかを先行的に捉える指標としても利用されます。
考え方
モメンタムは相場の勢いを見る場合に使いますが、その勢いを現在の終値と過去の終値を比較して表します。
比較した時に過去の価格より現在の価格の方が高い場合は、上昇相場と考えます。
単純に考えてみると「現在価格-過去価格」とした場合、
[10日前 5日前 現在]
[90円 140円 110円]
5日ごとの推移を考えてみると、
5日前は140円-90円=50円プラス
現在では110円-140円=-30円マイナス
という結果になります。
5日前には上昇相場だったのですが、現在は下落傾向にあるというように考えます。
さらに、10日前と比較すると110円-90円=20円プラスになります。このときは10日前より相場は上昇傾向にあると考えます。
冒頭でもお伝えしたように、ゼロより大きければプラスで上昇の勢いであり、ゼロより小さければマイナスで下落の勢いが強いということになります。
ただし、このように比較しただけでは、局所的なのでもう少し踏み込んで解説します。
- ①から②に上昇している時:②-①=プラス(上昇)
- 天井から下る③の時点:③-②=プラス(プラス幅縮小)
- さらに下落していく④の時点:④-③=マイナス(下落)
- 底値になった時点:⑥-⑤=0(下落分岐点)
- 上昇し始めた⑦の時点:⑦-⑥=プラス(上昇)
ここでは底値になったゼロ時点(天井形成をした後の上昇や下落の分岐)を境にして、プラスかマイナスかを見ます。
分岐点では、プラス・マイナスどちらも数字が小さくなります。
計算式
モメンタム=当日終値-n日前の終値で求めます。
この場合のnは以下の通りです。
日足:10日 25日
週足:9週 13週 26週
月足:3ヵ月 6か月 9か月
プラスの場合は当日の価格が過去の価格より大きいので上昇トレンド
マイナスの場合は当日の価格が過去の価格より小さいので下落トレンド
補足①
一目均衡表(転換線・基準線・雲・遅行線で成り立つ3次元チャートのこと)の遅行線に注目して26日前の価格と比較します。
遅行線が好転:当日が26日前までより高い時、上昇トレンドの可能性がある
遅行線が反転:当日が26日前までより低い時、下落トレンドの可能性がある
この遅行線は26日分過去にずらした線です。
補足②
n日移動平均線を考え、n日前の価格と比較します。
10日移動平均線では、当日の価格を加え、10日前の価格を引きます。