カロリーを減らせば痩せるので、ダイエット中は低カロリーな食事を選ぶ方が多いはずです。当たり前のような話ですが、単に低カロリーを心がけるだけでは痩せにくいことをご存知ですか?おさえておきたい低カロリーダイエットのポイントを紹介しますね。
低カロリーダイエットとは
低カロリーダイエットとは、カロリーの低いものを食べて痩せるダイエット方法のこと。体重の増減は摂取カロリーと消費カロリーの差で決まるので、摂取カロリーを減らせば痩せると考えられています。ただし、単にカロリーを減らすだけでは痩せにくくなる可能性があります。
短期間で大きく痩せたい方の中には、過度な食事制限をする方が多いですよね。ダイエットには有効な取り組みと思われがちですが、脳からするとそのようなことはないようです。食事などからとる糖質が大幅にカットされると、事情を知らない脳は飢餓状態に陥ったと判断してしまうのです。
脳が飢餓状態に陥ったと判断すると、万が一に備えて脂肪を蓄えようとします。その結果、頑張って食事制限しているのに体重が減らない、体脂肪がつく、筋肉が減るなどが起こります。あるいは、貴重なエネルギーを節約するようになるので、活動をつかさどる交感神経の働きが低下して、身体が冷える、だるい、目覚めが悪いなどの不調が現れるようになります。このような状態に陥ると、当然ながらダイエット後にリバウンドしやすくなります。
ダイエットに夢中になると「とにかく摂取カロリーを減らせばよい」と考えがちですが、栄養バランスが乱れると思わぬトラブルに悩まされることがあるのです。ダイエットに取り組むときは、カロリーを抑えながら炭水化物やたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよくとるように心がけましょう。
低カロリーの食材
低カロリーダイエットを成功させるポイントは、栄養バランスを整えながらカロリーを抑えること。食品成分表をもとに低カロリーといわれる食材を紹介するので、低カロリーダイエットに活用してくださいね。
穀物(100gあたりのカロリー)
おかゆ(全かゆ) 71kcal
うどん(ゆで) 105kcal
そば(ゆで) 132kcal
中華麺(ゆで) 149kcal
マカロニ・スパゲティ(ゆで) 149kcal
ごはん(精白米) 168kcal
主食といわれるものが中心です。ごはんは意外とカロリーが高いので食べ過ぎに注意してくださいね。
いも及びでんぷん類(100gあたりのカロー)
白こんにゃく(精粉こんにゃく) 5kcal
しらたき 6kcal
こんにゃく(生芋こんにゃく) 7kcal
さといも 58kcal
ジャガイモ 76kcal
白こんにゃく、こんにゃくは低カロリー食材としてお馴染みですよね。注目したいのがZENパスタと呼ばれ海外を中心に人気を集めているしらたきです。主食(麺)の代わりに利用できるので、知っておくと便利ですよ。
豆類(100gあたりのカロリー)
豆乳 46kcal
絹ごし豆腐 56kcal
木綿豆腐 59kcal
大豆(水煮缶詰) 140kcal
インゲン豆(全粒・ゆで) 143kcal
大豆には、タンパク質やビタミンB1、B2など豊富な栄養が含まれています。カロリーも低いので、豆乳や豆腐は低カロリーダイエットの強い味方といえそうです。
野菜類(100gあたりのカロリー)
青梗菜(葉・生) 9kcal
レタス(生) 12kcal
きゅうり 14kcal
小松菜 14kcal
白菜 14kcal
全般的にカロリーが低い野菜類。葉物野菜の多くは、食事のはじめに食べると血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。低カロリーダイエットの大きな助けになるので、野菜類も積極的に活用したい食材です。
果実類(100gあたりのカロリー)
イチゴ(生) 34kcal
すいか(生) 37kcal
グレープフルーツ(砂じょう・生) 38kcal
バレンシアオレンジ(砂じょう・生) 39kcal
もも(生) 40kcal
ダイエット中は避けられることが多い果実類。ビタミンなどが豊富なので上手に活用したい食材です。食べ過ぎに気を付けて、甘いものが食べたいときに取り入れるとよいでしょう。
きのこ類(100gあたりのカロリー)
マッシュルーム(生) 11kcal
なめこ(生) 15kcal
まいたけ(生) 16kcal
ぶなしめじ(生) 18kcal
生しいたけ 18kcal
きのこ類も優秀な低カロリーダイエット食材。ビタミン、ミネラルに加え食物繊維が豊富なので活用し甲斐があります。
魚介類(100gあたりのカロリー)
あさり(生) 30kcal
はまぐり(生) 38kcal
こういか(生) 66kcal
ほたてがい(生) 72kcal
まだこ(生) 76kcal
基本的に、貝類、甲殻類はカロリーが低い食材といわれています。一方で、脂が多いサバやサンマなどはカロリーがやや高めです。ただし、魚に含まれる脂はダイエットに勧められています。少しカロリーが高くなっても魚はしっかり食べたい食材です。
肉類(100gあたりのカロリー)
鶏肉ささみ(生) 105kcal
鶏肉むね(皮なし・生) 108kcal
豚かた(赤肉・生) 125kcal
豚もも(赤肉・生) 128kcal
牛肉かた(赤肉・生) 130kcal
肉類は基本的にカロリーが高め。気になるときは鶏肉ささみなどを食べるとよいかも。
乳類(100gあたりのカロリー)
低脂肪牛乳 46kcal
プレーンヨーグルト(全脂無糖) 62kcal
飲むヨーグルト 65kcal
普通牛乳 67kcal
カロリーを気にする方は低脂肪乳が良いかも。チーズはカロリーが高いので食べすぎに気をつけましょう。
以上を参考に、毎日の献立を考えてみてはいかがでしょうか。ちなみに、調理油はどれも100gあたり921kcalです。オリーブオイルやゴマ油は低カロリーと思われがちですが、カロリーそのものは変わりません。ダイエット中のとり過ぎには気をつけましょう。
例えばこんな食事
低カロリーな食材が分かったところで、具体的な食事内容を考えていきましょう。低カロリーダイエットでは、糖質を控えすぎないことが重要です。もちろん、その他の栄養もバランスよく補いましょう。
成人女性が1日に摂取するカロリーは1800kcal程度といわれています。1食あたり600kcalとなりますが、低カロリーダイエットではこの量を少なくします。例えば、1食あたり400kcalにすれば1日あたり600kcalのダイエットができます。
400kcalの献立を考えるときは「主食120kcal」、「タンパク質を多く含む食品80kcal×2品=160kcal」、「イモ・根菜・果物40kcal」、「野菜・きのこ・海藻40kcal」を組み合わせるとよいでしょう。調理油は大さじ2分の1杯までOKです。
具体的な食事例
「ごはん子供茶碗1杯、白身魚1切、卵1個、カボチャ50g、サラダ」などになります。
野菜・きのこ・海藻はカロリーが低いので基本的に好きなだけ食べて構いません。カロリーを抑えても十分満足できる食事をとれることが分かるはずです。あくまで一例なので、活動量や体格などを考えて負担のない食事内容に調整しましょう。
効果を上げる食べ方
低カロリーダイエットの効果は、食事の食べ方を工夫することでも変わります。どのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。
食べる順番に気を付ける
ダイエットに取り組むときは、汁物でお腹を満たしてから野菜、主菜、主食の順で食べましょう。糖質の吸収が緩やかになるので太りにくくなります。また、満腹感を得やすいので食べ過ぎを防げます。
うす味を心がける
味付けが濃い方がおいしいと感じるかもしれませんが、ごはんが進んでしまうのでダイエットにはおすすめできません。ダイエット中はできるだけ薄味を心がけましょう。物足りないときは、香味野菜や香辛料を使うとよいですよ。
1日3回の食事を食べる
ダイエットがうまく進まない、食べ過ぎてしまったなどが気になると食事を抜きたくなるかもしれません。気持ちはわかりますが、食事を抜くと脳が飢餓状態と判断する恐れがあります。1日3回の食事を欠かさないようにしましょう。
おやつを上手に活用する
おやつを完全にやめるとストレスがたまりがちです。食べたいときは厳選したおやつを少しだけ食べるようにしましょう。カロリーが気になるときは運動した後にご褒美として食べるとよいかもしれませんよ。
最後に
カロリーを制限すれば痩せると思われがちですが、身体が飢餓状態と判断すると痩せにくくなってしまいます。低カロリーダイエットに挑戦するときは、糖質やその他の栄養を制限しすぎないようにしましょう。紹介したポイントを参考に取り組んでくださいね。