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出産後2年間は離婚の危機!?「産後クライシス」の原因と対処法

 

ここ最近「産後クライシス」という言葉を良く聞くようになりました。筆者も出産前にこの言葉を聞いてどのようなものなのか調べた一人です。

実はこの「産後クライシス」知らなかったら今頃どうなっていたのか、不安になるくらい危ないものなのです。

出産前のプレママ、プレパパさんはもちろん、出産直後のママ、パパにも知ってもらいたい「産後クライシス」についてみていきましょう。

 

目次

産後クライシスとは?

産後クライシスとは、産後に夫婦間の愛情が急速に冷え込む状況として、NHK朝の情報番組である、「あさいち」で作られた造語です。ちなみにクライシス(crisis)とは、危機という意味です。

昔から産後の夫婦危機や離婚は多かったのですが、改めて産後クライシスという言葉が出来て注目を浴びるようになりました。

産後クライシスというものがあることを夫婦それぞれが理解することによって、関係は改善されます。

その時の状況で離婚してしまって、後から後悔しないように、または、産後も仲良くやっていくために、まずは産後クライシスというものがあることを知っておきましょう。その上で二人一緒に対策を行うことが望ましいです。

産後クライシスは離婚の原因になる!?

産後クライシスは主に出産後2年以内に起こる状況だと言われています。この産後2年間で様々なことが原因で夫婦中が冷め、場合によっては離婚というケースもあります。

厚生労働省が平成23年に母子家庭を対象に行ったアンケートでは、子供が0~2歳までに離婚したと答えた家庭が約35%と最も多かったのです。つまり、夫婦にとっては産後2年間が最も大切な時期だと言えます。

産後のママはとてもデリケートです。いつもなら笑って受け流せる些細なことでも、その時は深く傷つき長く引きずることもあります。それが積み重なって離婚ということにもなるので注意しましょう。

産後クライシスになる原因

産後クライシスの原因は1つとは限らず、色々な原因が重なることもあります。

主な原因は「ホルモンバランスの変化」「夫の家事・育児不参加」「育児疲れ」などがあります。それぞれについて詳しくみていきましょう。

ホルモンバランスの変化

原因の1つにホルモンバランスの変化が挙げられます。妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンというホルモンが増加しますが、産後これらのホルモンは急速に減少し、不安定な状態になります。

それに加えて、母乳の分泌を促進するホルモンであるプロラクチンというホルモンと、愛情を高めるオキシトシンというホルモンが増加します。これらは子育てをする上で重要なホルモンなのですが、実はこの2つのホルモンの役割はこれだけではないのです。

プロラクチンは、性欲を減退させる効果があり、オキシトシンは敵対感情が増える効果があります。敵対感情は、敵と認定された人に向けられるもので、例えば、パパが子育てや家事をやらずに、自分の好きなように生活をしていればママはパパも敵とみなして敵対感情を抱いてしまうのです。

夫が育児や家事をしない

ママは出産後、赤ちゃんに付きっ切りでお世話をします。産後は安静第一ですが、数ヶ月経てば元の生活に戻ります。

ママは、育児に加えて家事をしたり、仕事復帰したりと負担が増えます。この時、パパは育児に参加しなかったり、家事をしなかったりするとママの負担ばかり増えて産後クライシスの原因になります。

特に最近は核家族が増えて、夫婦二人で育児をしていかなければいけなくなりました。その状況でパパが育児に参加をしなければママ一人の負担は相当なものです。

育児疲れ

出産は大仕事です。しかし、出産はゴールではなく、育児のスタートです。新生児は昼夜の区別もつかず、昼夜問わず泣きます。

その後、昼夜の区別がつき、ぐっすり眠ってくれる子もいれば、全然寝ない子もいます。通常、動物というのは生まれた時から敵に狙われるので、すぐに動ける状態で生まれてきます。

しかし、人間というのは生まれた時は動くことも、一人で食事をすることも出来ません。どの動物も育児は大変だと思いますが、人間は特に未熟な子供を育てなければならず、最も大変な子育てだと言われています。

24時間赤ちゃんに合わせた生活をするママはとても疲れます。さらに産後の身体は元に戻ろうと常に変化しています。育児は体力的にも精神的にも疲れてしまうものです。

産後クライシスのセルフチェック

産後クライシスの危険がないか以下の質問からセルフチェックをしてみましょう。

1.夫のすることイライラすることが多くなった

2.夫の言う事にイライラすることが多くなった

3.夫婦生活をするのが嫌

4.産前産後では別人になったと言われる

5.私だけが辛いと思うことがある

6.ついキツイ言い方をしてしまう

7.夫婦の会話が減った

いかがでしたでしょうか。丸が多い方が産後クライシスの危険が高いと言えます。半分以上当てはまった方は特に注意が必要です。以下の対策を実行してみましょう。

産後クライシスの対策

産後クライシスを改善、予防するための対策をいくつかご紹介します。

具体的にしてほしいことを伝える

女性は何も話さない赤ちゃんのお世話が出来るくらい空気を読むことが得意ですが、男性はこれが苦手です。男性には、何をして欲しいのが具体的に伝えましょう。

実は、これ難しいもので、ママ自身も不満に思っていることは沢山あるけど、いざして欲しいことが何かを考えると悩んでしまうという方も多いのです。中には「早く帰ってきて欲しいけど、仕事も頑張ってもらいたい」など相反する欲求を求めることもあります。

ここは、少し余裕のある時にパパと話し合いをしてみて下さい。この時に重要なのは、パパがママの話を良く聞くこと、ママはまとまっていなくても気持ちを感情的にならずに話すことです。パパはつい結論を求めたくなりますが、そこはグッと我慢して話を聞きましょう。

意外として欲しいことは、話を聞いてもらうことだったりします。その他、出来る事、出来ないことをしっかりと話し合いましょう。

夫を褒めまくる

もし、何か頼みごとをしてパパがやってくれたらとにかく褒め、感謝の気持ちを伝えましょう。これは気持ちに余裕がないとなかなか実行できないかもしれません。

つい、「私はいつもやっている」と思ってしまうかもしれません。なので、これは気持ちの余裕がある時に実行してみて下さい。

実家やファミリーサポートを頼る

気持ちの余裕を作る為に、頼れるところを探しましょう。実家や姉弟、近くに頼れる人がいなければ、自治体のファミリーサポートを頼むのも良いでしょう。

1人でストレスを溜め込まない

1人でストレスを溜め込まずに、必ず、パパに伝えるようにしましょう。まず、産後はホルモンバランスの変化が起り、精神的にも不安定になることがあることを知り、なるべく感情に任せずに、今の状態を伝えることを心がけましょう。

いきなり喧嘩腰に話されればパパも機嫌を損ねてしまいます。ストレスを溜め込まないコツは、自分の状況を上手にパパに伝えて、一緒に解決策を見つけることです。

スキンシップを大切にする

ホルモンや育児で時間を取られることによって、産後はなかなかパパとの時間を作れません。そのうちスキンシップを取る時間もなくなり、パパとの間に距離が出来てしまうこともあります。

スキンシップは気持ちの余裕がある時に意識的に取るようにしましょう。そうすることで、パパとの距離が離れずにいられます。

離婚という結果にならないために

子供の年齢イコールママ歴です。育児に正解はありませんし、完璧もありません。あまり思いつめずに、どうすれば楽しく育児が出来るのかパパと一緒に考えて行くことで産後クライシスはだいぶ改善されます。

産後クライシスは2人の性格の問題ではなく、環境の問題です。産後クライシスで離婚して後から後悔しないために、産後クライシスを理解し、二人で楽しんで育児をして下さい。