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出産後のお母さんと赤ちゃんをサポートする!産後ケアセンターとは?

 

出産という大仕事を終えたのも束の間、すぐに赤ちゃんの育児が始まります。

赤ちゃんの世話は丸一日24時間、気が抜けません。

産後は疲れ切った体を休めるべきなのに、様々な理由で近くに頼る人がいなかったり、里帰りができなかったりする人も多いですよね。

中には、産後に誰にも頼れずに疲れ切ってしまって、産後うつになってしまう人もいます。

そんな出産後のお母さんの心身を癒すことを目的とした、産後ケアセンターが増えていることをご存知でしょうか。

今回は、近年増えてきている、産後ケアとはどういったものか詳しく解説していきましょう。

 

目次

今、日本で産後ケア施設が増えている!?

最近問題となっている、産後うつや虐待の背景

日本では、妊娠から出産までは手厚いのですが、産後の女性へのケアはほとんどされてきませんでした。

最近では、マタニティ―ブルーや産後うつといった言葉を耳にすることが多くなったと思います。

マタニティブルーは産後2~3日、30パーセントから50パーセントの人がかかる一過性のもので産後10日目ころには軽快します。

しかし、時間がたっても改善しないのは産後うつです。

産後うつは、育児の不安やプレッシャーによるストレスが原因といわれています。

その背景としては、産後の心身の疲れとともに、誰にも頼ることができないといった状況が考えられます。

国を挙げての「産後ケア事業」が開始される

厚生労働省が、「産前産後サポート事業」「産後ケア事業」の実施を開始しました。

内容は、家族や地域で孤立している母親の解消を図るための相談支援、退院直後の母子に対する心身のケア、育児サポートなどです。

産後ケアセンターとは?

出産後の育児支援を行う施設

産後ケアセンターとは「分娩後に、身体が妊娠前の状態に戻るまでの期間」、「ホルモンバランスの変化によって精神的に不安定な期間」に支援する施設です。

費用は施設によって違います。また、公的な補助が受けられる場合もあります。

お母さんの心身をケアし、母親として自立させることが目的

産後ケアセンターでは産褥期の女性に対して、個別に心身をケアし、育児をサポートし自立支援を実施するのが目的です。

具体的には赤ちゃんの世話で夜も眠れない、体の不調がある、産後は自分の身体より赤ちゃんを優先させてしまう、そんなお母さんが赤ちゃんと一緒に過ごせる宿泊施設です。

産後ケアの必要性

産後1ヶ月は体を休める必要がある

「産後の肥立ち」という言葉はよく聞きますね。出産後、身体が妊娠前の状態に戻るまでは無理をしてはいけないと言われています。

産後はホルモンのバランスが崩れるなどの原因で、心が不安定なためトラブルも多いようです。

日本では里帰り出産、もしくは自宅に親や義母に来てもらうのが多いですが、中には両親に頼めない人もいると思います。

そんなときに、産後ケアは両親に代わって、頼れる存在として、産後のサポートをしてもらえます。

心身の健康は母子の「愛着」関係を築きやすくする

産後は赤ちゃんにとっても大切な時期で、この時期の親子関係が今後の子どもの健康的な心の成長の基礎となると言われています。

しかし、産後のケアが不十分で疲れ切ってしまったお母さんは、心に余裕を持てず、十分に赤ちゃんとの関係を築くことが出来にくくなります。

その点においても、産後ケア施設があることで、出産後の心と体を休めることができ、ストレスなく子どもに関わることができます。

そうすることで、産後の親子の愛着関係をじっくりと築くことができ、のちの子どもの心身の健康にもつながるのです。

さらに、母親としての覚悟が固まっていき、母親として自信を持てるようにもなります。

母親の孤立を防ぎ、育児知識の学びの場となる

最近、ニュースでも取り上げられる「孤育て」も問題となっていますよね。

この問題も、母親が周りに誰も頼る人がいなくて、ひとりで育児をするといった孤立した状態のことをいいます。

その点においても、産後ケア施設では、育児について専門家に学ぶことができます。

孤立して一人で子育てをしていると不安になることが多いのですが、育児についての情報を得られるならば不安も解消されますね。

産後ケアセンターではどんなことをする?

母乳ケアや沐浴など育児指導

授乳、ミルクの作り方、哺乳瓶の消毒、沐浴、おむつ交換、寝かしつけ、抱っこなど基本的な育児のトレーニングをします。

家族も一緒にトレーニングできる施設もありますので、是非参加してみてください。

赤ちゃんのお世話

体重、発育管理、沐浴、スキンケア、ミルクの増やし方、その他のケアなど、赤ちゃんのお世話全般の練習をします。赤ちゃんのお世話を教えてもらえるので、自宅に帰っても安心ですね。

お母さんの心身ケア、育児相談

婦人科診察、乳房ケア、リラックス方法、育児相談、アロマオイルトリートメント、休息など心身ともに休めるプログラムが利用できます。

赤ちゃんと二人きりでストレスがあるお母さんの助けになります。

産後ケアはどこで行っている?

主に産婦人科や助産院

産後ケアが行われているのは、産婦人科、助産院がほとんど。

助産院では「産褥入院」などと呼ばれており、「赤ちゃんの夜泣きで眠れない」「ストレスがたまっている」というときにも利用されています。

宿泊施設型の産後ケアセンター

最近では、産後ケアセンターの専門施設もあります。

施設によっては足湯や骨盤ストレッチチェアーなどのリラクゼーション設備も整っています。

訪問型の産後ケア

訪問型の産後ケアの特徴は、費用の安さにあります。たとえば、千葉県松戸市が実施している産後ケアの場合は1回1000円。

ただし利用回数には制限があり、1日1回、7回までで1回あたりの時間は120分です。なお、利用できるのは松戸市民だけです。

自治体によっては助産院が実施している訪問の産後ケアの料金補助がある場合もあります。

一泊の産後ケアを実施している自治体もありますので、自分が住んでいる自治体で、実施されているかどうか調べてみることをお勧めします。

ホテルでの産後ケアサービスプランもある

大手旅行会社のホテルパッケージには、産後ケアサービスもあります。ホテルに一泊して助産師のケアが受けられるというもので、滞在中マンツーマンでの助産師のケアを受けられます。

ホテルはもちろん禁煙ルーム。料金別途で家族も同行できます。

母乳ケア、フィジカルチェック、からだほぐしなど、充実した内容です。

産後ケアセンターの利用方法

出産後そのまま利用する人が多い

産後ケアセンターは、主に病院、助産院で行われていますので出産後そのまま利用する人がほとんどです。

一度自宅に帰るよりも、その方が安心ですね。

事前に予約が必要

産後ケアを利用するためには事前の予約が必要です。

ただ、産後ケアが受けられる赤ちゃんの月齢は、施設によっても違います。

たとえばホテルのパッケージでは生後3ヶ月から8ヶ月、産後ケアセンターでは産後から生後12ヶ月などとなっていますので事前にチェックしましょう。

生後すぐに利用する場合は、生まれる前に予約が必要ですね。

出産していない産院でも利用できることがほとんど

その病院や助産院で出産していなくても、産後ケアは利用できる場合が多いので安心です。

たとえば、里帰り出産をして自宅に戻ったら赤ちゃんの世話が不安になったという場合も安心です。

産後ケアセンターの費用の目安は?

産後ケアセンターの費用は地方や施設によって大きく違います。夫や上の子が宿泊できる施設もありますので安心ですね。

(一例)

1泊2日:64800円(1日34200円×2日)

日帰りプラン:21600円

個室、アロママッサージ、食事、おやつ、育児相談などさまざまなサービスもついています。(一部料金別途)

産後ケアセンターを利用した人の口コミ

Aさん(4泊利用):退院した後、授乳中大声で泣いてばかりで飲んでくれませんでした。授乳がきちんとできるようになるまで指導してもらえたので助かりました。また、泣きやまないときの抱っこの仕方も教えてもらえました。

Bさん(14泊利用):母子同室が基本ですが、赤ちゃんをベビールームに預けることもできたので良かったです。ホテルのような設備だったので快適に過ごせました。

Cさん(10泊利用):個室に戻ると孤独です。助産師さんによってアドバイスが違ったので悩んでしまいました。

Dさん(日帰り利用):利用時間は5時間でしたがあっという間に終わってしまいました。今度は宿泊で利用したいです。

まとめ

産後に孤独感あるいは育児の不安があるのなら、産後ケアを利用してみてください。

育児は体力も必要ですし、睡眠時間もとれず辛い場合があります。専門家のサポートを受けることで心も身体も楽になりますよ。