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不妊原因のひとつ、卵子の老化には「ミトコンドリアの活性」がいいってホント?

 

不妊症の原因の一つとして広く知られているのが「卵子の老化」です。

女性の卵子の数には限りがあって、その卵子も年齢と共に老化していきます。

卵子が古くなるとせっかく受精しても受精卵が育たないなど、不妊へとつながってしまいます。

一度老化すると若返りはしない卵子。しかし、最近テレビでも取り上げられ話題になったのが、老化を防ぐミトコンドリアの働き。

ミトコンドリアを活性化させることで卵子の老化を防ぐことができる、ということに研究家たちが着目し、日々研究が進んでいます。

不妊症を解消できるかもしれないミトコンドリアの驚くべき機能と、妊活への取り入れ方を見て行きましょう。

 

目次

ミトコンドリアとは?

ミトコンドリアは人間の体の全ての細胞に存在します。学校の生物の授業で名前を耳にしたことがある、という人もいるのでは?

ミトコンドリアは細胞の中のとても小さな器官ですが、人の体重の約10%はミトコンドリアが占めていると言われています。

各細胞の動きはミトコンドリアによって決まる、と言っても過言ではありません。

ミトコンドリアはエネルギーを作る働きがあり、いわば体内の発電機の役割を果たしています。

食事で摂りいれた栄養素は分解されて血液によって全身の細胞に運ばれます。

ミトコンドリアは酸素などを燃料に、栄養素をエネルギーに変え、作ったエネルギーは体を動かす源となります。

そんなミトコンドリアは加齢によって減少していきます。

ミトコンドリアが減ったり機能しなくなることが、すなわち老化です。

エネルギーが減ってしまうと、人間の体は呼吸や体温・血圧調節などの生存機能が最優先され、生殖機能などは後回しにされます。

老化スピードを落とし健康を維持するためには、ミトコンドリアの量と質の向上は欠かせません。ミトコンドリアの質や量が若さや健康を維持するカギということになります。

不妊とミトコンドリアの活性の関係とは?

精子はどんどん新しいものが作られますが、卵子はそうではありません。

卵子は女性として生まれた時から、持っている数が決まっていて、減ることはあっても増えることはありません。

卵子の元となる卵胞細胞の数は、出生時がピークで200万個、その後はどんどん減っていき、排卵が始める思春期ごろになると30万個に減少していきます。

卵子になるのはその約1割なので、女性が生涯排卵するであろう卵子の数は、およそ400~500個ほどになります。

年齢にともない卵子も古くなっていきます。卵子は女性の年齢と共に古くなっていくということです。年齢が高くなるにつれ、妊娠しにくくなるのはそのためです。

卵子の質の低下により染色体異常が増え、受精しても育たなかったり、着床しないなど初期流産や不妊のケースが増えてきます。

新しい卵子を作ることができない、卵子を若返らせることができない、というのが女性の体の仕組みなので、今持っている卵子の質をキープすることが大切になってきます。

卵子は女性の年齢と共に古くなりますが、細胞の老化スピードを抑え元気な卵子をキープすることは可能です。

細胞の質や働きを左右するミトコンドリアの活性化は、卵子の老化のスピードを遅らせるという意味で不妊に有効というわけです。

ミトコンドリアを増やすセルフケア

ミトコンドリアは自分で増やすことができます。ポイントはちょっときつい運動と、エネルギー不足の状態に体を追い込むことです。

では、その方法を見て行きましょう。

少しきつめの有酸素運動をする

有酸素運動はウォーキングやジョギング、水泳やサイクリングなど酸素をエネルギーとして取り込む運動です。

軽い負荷を一定の時間、体に与えます。じんわり汗ばむ程度の苦しくないレベルが目安です。

「ゼーゼー」となるぐらいのきつい運動は、逆に活性酸素を増やしてしまいます。「ちょっときつい」という状態をキープしましょう。

有酸素運動は30分以上続けないと効果がありませんが、時間がないという人のために短時間で同じ効果を得られる方法を紹介します。

インターバル速歩

「ちょっときつい」と感じる程度の早歩きと普通のスピードのウォーキングを3分ずつ交互に続ける方法です。

下半身に高い負荷がかかり、持続力が鍛えられ効果がアップします。

1日に30分(早歩きとウォーキングのセットを5セット)できれば理想ですが、時間がない人は1週間でトータル60分できればOKです。

サーキットトレーニング

サーキットトレーニングとは、異なった動きを休憩を挟まずに次々と行い、それを繰り返す運動です。

例えば、なわとびのサーキットトレーニングなら駆け足跳び→普通跳び→二重跳びと1分ずつ行い2クールして休憩する、という感じです。

スクワット→その場足踏み→腕立て伏せ→その場足踏みという感じでもOKです。

メニューはお好みで組み合わせることができます。

心拍数が高いまま維持されるので、普通の運動より酸素を多く取り込み短時間でも長時間の有酸素運動と同じ効果が得られます。

空腹を感じる時間を設ける

ミトコンドリアは体にエネルギーが不足している時に増えます。

食事はお腹がグーグーなるまで食べない、など体が空腹感を覚える時間を意識して作りましょう。

食べ過ぎは活性酸素を増やすため、体を老化させる原因になります。

食事は腹八分目に抑えるようにして、粗食を心掛けましょう。

ミトコンドリアを増やす食品を食べる

ミトコンドリアを増やすにはピロロキノリンキノン(PQQ)を含む食品を食べましょう。納豆や豆腐などの大豆製品やココア、緑茶に豊富に含まれています。

イカやタコ、カキなどの魚介類に含まれるタウリン、豚肉やウナギに含まれるビタミンB群、レバーなどに含まれる鉄もミトコンドリアを増やしてくれます。

背筋を伸ばす・片足立ち

ミトコンドリアは筋肉に多く存在します。特に背筋や太ももに多いため、普段から背筋をピーンと伸ばすようにしましょう。

ミトコンドリアは特に赤筋と呼ばれる持続力を司る筋肉に多いため、一定時間同じ姿勢を続ける、などの負荷を与えるエクササイズが効果的です。

すきま時間を利用して片足立ちを左右1分ずつ行いましょう。片足で立ったまま膝の屈伸を10~20秒行うと、さらに太ももの筋肉に刺激が加わり、効果もアップします。

まとめ

年齢が高くなるにつれ卵子の老化は避けられない問題です。でも、安心してください。実年齢イコール卵子の年齢というわけではありません。

ミトコンドリアはまさに卵子の老化を遅らせる救世主のような存在。卵子を若返らせることはできなくても、老化のスピードを遅らせることは可能なんです。

普段から運動を取り入れたり、食習慣を少し変えるだけで、ミトコンドリアが増えて卵子はもちろん、体の全ての細胞をベストな状態に保つことができます。

ぜひ今日から実践してみましょう。