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不妊の基礎知識!女性不妊の主な原因の種類と検査方法とは?

 

晩婚化が進み、不妊に悩むカップルの数も増加傾向にあります。

妊活する芸能人や高齢出産のニュースもめずらしくありません。

今や10人に1組のカップルが不妊とも言われています。

しかし、最近は「子供が欲しい」というカップルの年齢が高くなってきていることから、この数字は氷山の一角で実際はもっと多いのではないか、とも言われています。

不妊に悩むカップルの増加の背景には、女性の年齢と共に生殖機能が低下していく、ということがあげられます。

漠然と「ほしい」と思っているうちに、タイムリミットが来てしまう・・ということは十分あり得ます。

妊活中の人も、「赤ちゃんはまだ先」と思っている人も、ぜひ知っておきたい不妊の原因や不妊治療の中身を詳しく紹介していきます。

 

目次

不妊とは?

不妊という言葉が最近よく聞かれるようになりました。

一体どういうケースが不妊に当てはまるのでしょうか?

「もしかして私も・・?」と少しでも心当たりがある方は、ぜひ参考にしてみてください。

不妊の定義とは?

一般的に健康なカップルが、タイミング法などを用いず避妊せずに性交渉を行った場合、1年以内に8割のカップルが妊娠します。2年になると、その確率は9割まで上がります。

不妊の定義は、一定期間避妊せずに夫婦生活をしていても妊娠しないことをいいます。

その一定期間というのが、世界保健機構(WHO)が2年、アメリカ不妊学会が1年など各機関によって基準が異なります。日本では、日本産科婦人科学会が決めた1年が一般的です。

昔に比べると晩婚化が進み、婦人病の増加や環境ホルモンの影響から、自然に妊娠するのが難しくなりつつあります。

一定期間待たなくても、子供がほしいと思ったら、異常がないか検診を受けるなどの積極的な行動をしましょう。

一人目不妊、二人目不妊とは?

一人目の赤ちゃんがなかなか授からないという場合を一人目不妊と言います。

また、一人目の赤ちゃんを産んだものの、二人目がなかなか授からない場合を二人目不妊と呼びます。

二人目不妊の場合、一人目が自然妊娠か不妊治療によって授かったかどうかは半々の割合だそうです。

一人目が自然妊娠でも、出産の後、何らかの問題が起きて不妊になってしまう事もあり、二人目不妊に悩む人も少なくありません。

また、一人目の出産が年齢的に遅かった場合、二人目の妊娠を望んだとしても、加齢によって不妊になることも考えられます。

女性不妊の種類

不妊には女性側に原因がある場合と、男性側に原因がある場合があり、その割合は半々と言われています。何らかの病気が隠れている場合や、体質によるものなど、その不妊の原因は様々です。

自覚症状がないものもあるので、早めに医療機関で異常がないかチェックするのもいいでしょう。今回は、女性不妊の原因を紹介します。

排卵原因

女性の体は月経周期があり、28日周期の場合は月経開始から14日目ぐらいに排卵があります。

排卵すると妊娠しやすいように子宮内膜が厚くなります。妊娠しなければ子宮内膜ははがれ落ち、月経となります。

しかし、順調に月経があっても必ず排卵しているとは限りません。排卵が止まっていることを無排卵と呼びます。

無排卵は、ストレスやホルモンバランスの崩れ、過度のダイエットや肥満で、排卵が止まってしまうことです。

また、女性ホルモンに影響する甲状腺系の病気も、排卵がなくなる原因になります。

無排卵の状態が続くと妊娠することができず、不妊の原因となります。

排卵しているかどうかは、基礎体温をつけるとわかります。

通常は基礎体温の折れ線グラフが低温期と高温期ではっきり二層に分かれるもの。

しかし、無排卵の場合はガタガタと不安定なグラフになるか、ほぼ直線に近い線になります。

また、月経そのものが止まったり、数ヶ月に一度しかない、という稀発排卵というのもあります。

40歳になる前に月経が完全に止まり、閉経を迎えてしまう早発卵巣不全(早発閉経)というケースもまれに見られます。

卵管原因

卵管は精子が卵子をめざして通り、再度、受精卵が子宮に向かう時に通る道です。

何らかの理由で卵管が狭くなっていたり、詰まっていると妊娠することができません。

クラミジア感染症にかかったことがあると、自覚症状がないまま卵管が詰まることがあります。

また、子宮内膜症の病変で卵管周辺が癒着したり、分泌液がたまったり、炎症などで卵管が詰まるケースもあります。

子宮原因

子宮筋腫や先天的な原因で、受精卵が着床するのを妨げていることがあります。

子宮内の血流が悪い、過去の手術や炎症で癒着が起こっていることも原因にあげられます。

免疫原因

人間の体にはウィルスなど外的の侵入を妨げる免疫システムが備わっていて、抗体を作るというのも免疫システムの働きです。

そのひとつが人間のアレルギー反応で、抗体が過剰に働いてしまうケース。

その抗体が精子が入ってきた時のも作られてしまうことがあります。

抗精子抗体というものですが、100人に1~2人の不妊症の女性がこれに当てはまります。

加齢原因

加齢とともに女性が妊娠しにくくなるのは避けることができません。

35歳を過ぎると、妊娠できる確率が著しく低下します。

また、年齢的に子宮内膜症が多くなることや、老化により卵子の質が下がることも妊娠しにくくしている要因になります。

不妊検査とは?

不妊症を疑う場合は、婦人科で検査をしていくことになります。

不妊検査ではじめて婦人科に通うという人は不安もあると思います。

今回は、病院でどんな検査をおこなわれるのかをみていきましょう。

内診・経膣超音波検査

子宮筋腫や子宮内膜症、クラミジア感染症がないかを内診で調べます。

もし疑いがあれば、MRI検査や腹腔鏡検査でさらに詳しく調べます。

経膣超音波検査とは、膣内に細長い器具を入れて子宮や卵巣に異常がないかを調べる検査です。

子宮卵管造影検査

子宮内に造影剤を入れて、子宮の異常や卵管の詰まりがないかレントゲン撮影で確認します。

ホルモン検査

血液や尿検査で、ホルモンの分泌や甲状腺の機能を調べます。

妊娠を成立させるためのホルモン(黄体ホルモン)が十分に出ているかどうか見る必要があるため、月経周期に合わせて2回検査が必要になります。

性交後試験

排卵直前の最も妊娠しやすい時に性交渉を行い、翌日女性の子宮頸管粘液を採取して精子の状態を調べます。

まっすぐ進んでいくことができる直進運動精子があるかどうかを見ます。なければ、精子に対する抗体(抗精子抗体)の有無も調べます。

不妊検査は痛い!?

検査は痛みや恥ずかしさを考えるとハードルが高く、二の足を踏んでしまいますね。

痛みの感じ方は個人差がありますし、病院によって微妙に方法も異なります。

ネットなどの情報はあくまで参考程度にとどめておきましょう。「痛いと聞いていたが実際は痛くなくて拍子抜けした」という声もあります。

また、実際に不妊治療で赤ちゃんを産んだことがある方は、「出産の痛みに比べると大したことなかった」と口をそろえて言います。

それだけ赤ちゃんを産むということは、大仕事。前向きにクリアしていきましょう。

まとめ

不妊と一口に言っても、原因は様々です。

医療機関で調べられるものはごく一部で、原因不明の不妊で悩むカップルも多いのが現状です。

たとえ異常がなくても、念のために検査を受けてみると不安や疑問が解決されるでしょう。

自分はまだまだ、と思っていても、早すぎるに越したことはありませんよ。

今すぐにでも赤ちゃんが欲しい人は、積極的に検査を受けてみてはいかがでしょうか?

妊娠を希望していない人は病気を防ぐためにも、生活習慣を見直し、健康な卵巣・子宮をキープしていきましょう。

参考文献:日本産科婦人科学会 一般のみなさまへ 病気を知ろう 不妊