妊婦は鳥との接触に注意!鳥から人へ感染する「オウム病」とは?

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「オウム病」という鳥から人へ感染する病気があることをご存知ですか。

ペットとしても人気の高い鳥類ですが、飼い方に気をつけないと、思わぬ病気にかかってしまうかもしれません。

特に、妊娠中の女性はオウム病にかかり死亡する恐れもあるため、免疫力の低い妊婦さんは注意が必要です。

今回はそんなあまり知られていない、オウム病の感染経路や症状、予防法など詳しくみていきましょう。

オウム病とは?

オウム病は「オウム病クラミジア(別名クラミジア・シッタシ)」という細菌に感染することで起こる、人獣共通感染症の一つです。

オウム病という名前ですが、鳥類のなかでオウムだけが感染するということではなく、ほとんどの鳥類が感染するといわれています。

鳥同士での感染だけではなく、鳥から人へも感染し、インフルエンザのような症状を発症させます。

あまり聞きなれない病気ではありますが、国内でも年間数十人ほど感染をしています。

オウム病の感染経路は?

主な感染経路はペットから

オウム病の主な感染経路としては、ペットとして親しまれている、オウムやセキセイインコ、カナリア、文鳥、九官鳥などです。

そのうち、60%はオウムとセキセイインコからの感染で、特にセキセイインコからの感染が最も多いと言われています。

ペットとして飼っていなくても、公園にいるハトから感染したり、動物園の鳥類から感染したりする可能性もあります。

また、ウシやヒツジ、ヤギなどの大型家畜動物の出産時に感染した例もあるそうです。

病原体を含む鳥類の糞から感染

オウム病クラミジアは鳥の糞の中に排出されます。

鳥類と接触するときに、糞に含まれるクラミジア菌が人間の口や鼻から吸い込まれることによって人にも感染をします。

また接触をしなくても、乾燥した糞が空気中に浮遊して、吸い込んでしまうこともあるため、糞の処理には注意が必要です。

そのほか、鳥類から噛まれた傷口や餌の口移しなどによって感染することもあります。

しかし、病原体が体内に侵入したからといって、すべての人が感染するわけではなく、免疫力や体力が低下している人は感染しやすいと言われています。

オウム病の症状は?

オウム病が人に感染をすると、突然の発熱(38℃以上)を発症したのち、頭痛や倦怠感、筋肉痛や関節痛といったインフルエンザに似た症状を発症します。

重症化すると、呼吸困難や肺炎、髄膜炎を引き起こします。

その他の症状としては、

  • 激しい咳
  • 腹痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 鼻水
  • 首のリンパが腫れる

といったものがあります。

症状から見ると、インフルエンザや風邪と間違いやすいため、鳥を飼っている人や鳥と接触をした後にこのような症状が出た場合は、すぐに病院へ行きましょう。

また、感染から発症するまでの潜伏期間は1~2週間となっています。

妊娠中は鳥との接触に注意が必要?

国内初のオウム病による妊婦の死亡例が発生

2017年3月、妊婦の感染症について研究している研究班が厚生労働省に対して、オウム病に感染した妊婦が死亡したとの情報提供を行いました。

これは国内で初の妊婦の死亡例とされ、医師向けに注意喚起を行っていましたが、その1か月後に、同研究班から新たに1人の妊婦の死亡を報告されたとのこと。

今までも高齢者などの死亡例はあったが、1999年以降、数件しか事例はなく、妊娠中の死亡例は今回が初めてとなります。

厚生労働省では、妊婦の死亡例が相次いだため、国民へ注意喚起をするか検討中だそうです。

妊娠中は鳥類との不必要な接触は避ける

このように妊娠中は免疫力が弱まり、オウム病に感染しやすい状態となっています。

今回の事例のように、死に至るケースもあるということなので、妊娠中は特にオウム病の感染に気をつける必要があります。

鳥をペットとして飼っている人は糞の処理やスキンシップの仕方に気をつけ、それ以外の人も鳥類など動物との不必要な接触は避けるようにしましょう。

しかし、病原体を持っていない鳥がほとんどで、ただ鳥に近づいただけで感染する確率はかなり低いため、鳥との接触がすべてダメということではありませんのでご安心ください。

オウム病にかかった場合の治療法は?

オウム病の可能性がある場合は、病原体があるかどうかを病院で検査をしてもらいます。

その際に、発症前に鳥との接触があったかが判断の基準にもなるようです。

検査の結果、オウム病と判明した場合は、抗生物質による治療を行い、投薬は約2週間行われます。

抗生物質は、「ミノサイクリン」や「クラリスロマイシン」などテトラサイクリン系薬の服用を行います。

幼児や妊婦といった場合には、「エリスロマイシン」の点滴か「ニューマクロライド薬」の服用をします。

オウム病にかからないための予防法

オウム病に注意が必要といっても、飼っている鳥を手放すということではなく、正しく付き合っていけば問題ありません。

そこで、オウム病の予防法について詳しくみていきましょう。

ケージ内の羽や糞をこまめに掃除する

鳥の羽や糞を放置してしまうと、空気中に菌が飛ぶので感染しやすくなります。

気づかぬうちに菌を吸い込んでしまわないように、ケージ内の羽や糞はこまめに掃除をしましょう。

また、掃除後は必ず綺麗に手を洗うようにしましょう。

口移しやキスなどの接触をしない

飼ってる鳥が可愛いといっても、口移しをしたり、キスをしたりすることで感染する恐れもあります。

こういった濃密なスキンシップは控え、接触をした後の食事前には手洗いを行うようにしましょう。

鳥に異変が見られた場合は、動物病院へ

オウム病に感染した鳥は、運動量の低下や食欲不振、下痢などの症状が現れます。

このまま放置すると、1~2週間で死亡してしまうので、異変が見られたときはすぐに動物病院へ連れていきましょう。

オウム病だけじゃない!動物から人へ感染する病気

妊娠中に気をつけるのは、オウム病だけではありません。

動物から人に感染する病気は他にもあるため、代表的な病気について紹介していきます。

トキソプラズマ症

妊娠中の感染症としてよく知られている、猫からのトキソプラズマ症です。

トキソプラズマ症とは猫の糞から感染する病気で、妊婦さんがかかるとお腹の中の赤ちゃんに影響が及ぶ可能性があると言われています。

胎児に感染をすると「先天性トキソプラズマ症」と言われ、流産してしまったり、赤ちゃんに水頭症、黄疸といった症状が出たりします。

トキソプラズマ症は一度、感染していれば、抗体ができるため問題ありませんが、妊娠中の初感染が問題となります。

妊娠中に初めて猫を飼うことはできるだけ、避けるようにしましょう。

 

関連記事

サルモネラ症

妊娠中のサルモネラ症は、生卵や生魚などのサルモネラ菌に汚染された食品からの感染が多いですが、動物からも感染することがあります。

サルモネラ菌を持っているペットや動物(犬や猫、爬虫類、カメ)に触れることで、口や手から経口感染をします。

症状としては、10時間~48時間の潜伏期間の上、下痢や腹痛、嘔吐、微熱などの食中毒や胃腸炎を引き起こします。

妊娠中に動物に触れた場合は、すぐに手洗いをして予防をしましょう。

妊娠中はペットの関わり方に気をつけよう

今回のオウム病はあまり症例もなく、妊娠中に気をつけなければならないということを知らない人がほとんどだったと思います。

可愛らしいペットは家族のようなもので、つい人間と同じように接してしまいがちになります。

しかし、いくら可愛いからといってキスをしたり、口移しをしたりすると、ペットから病気をもらうことになりかねません。

また、糞の処理にも気をつけなければなりませんので、ケージなどの掃除をした後やペットと触れ合った後は、必ず手洗いをしましょう。

こういった細かいところを気をつけると、そこまで感染を怖がらずにペットと付き合っていくことができます。

間違っても感染を恐れて、ペットを捨ててしまうことだけはやめましょうね。

妊娠中はペットを可愛がりつつ、適度な距離をとって、動物と付き合っていきましょう。

 

参考文献東京都感染症情報センター オウム病 Psittacosis

参考文献国立感染症研究所 妊婦さんおよび妊娠を希望されている方へ

参考文献千葉県獣医師会 サルモネラ症

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