ニキビができたとき、あなたはそのまま放置して治るのを待ちますか?それとも早く治したいと思って潰しますか?あるいは市販薬を塗りますか?
実はニキビは皮膚科で治療が受けられることをご存じでしょうか?
意外と知られていないのが、ニキビといっても立派な皮膚の病気なので、どの皮膚科でも治療を受けることができるのです。
今回はニキビが出来たときに、皮膚科で受けられる治療法について詳しくみていきましょう。
ニキビは皮膚科で治療ができる!?
ちょっと前までは「ニキビは病気じゃない」などと言われていました。確かに誰でもできるものだし、わざわざ病院にかからなくても自然と治ります。ところが、そのせいで間違ったケアをして悪化させてしまう人も少なくありません。
例えば、乾燥が原因の大人ニキビに、思春期ニキビ向けの薬を塗ると余計に乾燥して症状を悪化させてしまいます。
またニキビ治療は重症になってからしかいけない、ということはありません。白ニキビや黒ニキビなどの軽い症状の段階でも受診できます。むしろ、症状が軽い状態のときに診察を受けることで、重症になることを防げます。
毛穴詰まりを解消するためのスキンケアや、ホルモンバランスの乱れを改善する方法など、専門の医師から指導を受けることで症状の悪化防止とともに、ニキビの再発を防ぐこともできます。
ニキビ治療は保険が適用される治療方法もありますので、ニキビが出来たら皮膚科へ行って症状が軽いうちに治しましょう。
ニキビの治療方法とは?
ニキビの治療といっても、皮膚科では一体どんな治療を行ってくれるのでしょうか?
それは、大きく分けて外用薬と内服薬での治療に分けられ、どちらも併用した治療が一般的です。それでは、具体的な治療についてみていきましょう。
外用薬の治療
抗生物質
ニキビ治療ではニキビの原因菌を殺菌することを目的として、抗生物質による治療が一般的です。
白ニキビや黒ニキビが悪化すると赤ニキビになります。赤ニキビとは、炎症が発生した状態のニキビのことです。その原因はアクネ菌であり、皮膚科で処方される外用薬には、これを殺菌するための抗生物質が用いられています。
例えば、ニューキノロン系抗生物質である「アクアチムクリーム」や「アクアチムローション」、リンコマイシン系抗生物質の「ダラシンTゲル」、「ダラシンローション」などがあります。
外用レチノイド
外用レチノイドは、毛穴のつまりを取り除くための塗り薬として使用されます。処方されるのは「ディフェリンゲル」という外用薬が一般的です。
ニキビが生成される過程に直接作用し、毛穴付近が柔軟性を失って固くなったり、狭くなったりするのを防いでニキビ発生を抑制する効果があります。
この効果によって初期の白ニキビや黒ニキビの発生を抑制する効果も生まれます。ただし、男性ホルモンの働きそのものを抑えるわけではないので、永久にニキビ予防ができるというわけではありません。そのため新しいニキビを予防するために継続的に塗り続ける必要があります。
この外用レチノイドはいくつかの副作用があります。それは肌の乾燥、ピリピリとした皮膚刺激、赤み、痒みなどといった症状です。一定期間を過ぎると治まることもありますが、注意が必要です。
また、外用レチノイドはビタミンAの一種なので妊娠中に多量接種すると胎児に影響を与える可能性があります。外用レチノイドを使う際は、必ず専門の医師の指導に基づいて副作用に注意しながら使用しましょう。
内服薬の治療
抗生物質
ニキビの炎症が重度と判断された場合、内服薬で抗生物質を処方される場合があります。外用薬と同じく、ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌することを目的としており、抗菌剤とも呼ばれます。
よく使われるのは、マクロライド系抗生物質の「ルリッド」やテトラサイクリン系抗生物質の「ミノマイシン」です。
これらはアクネ菌を殺菌するとともに、ニキビの腫れを抑える消炎作用もあるので、炎症を起こしたニキビに適しているのです。
ホルモン剤
ニキビによってはホルモンバランスの乱れからできることもあります。特にアゴやフェイスラインのニキビが治らない人はホルモンバランスが影響しているかもしれません。そういった場合のニキビ治療ではホルモン剤が処方されます。
ニキビ治療でのホルモン剤の服用は、ニキビの原因となる皮脂の分泌を抑えるのが目的です。そのため「マーベロン」や「アンジュ」などの、副作用の少ない一般的な低用量ピルが処方されます。
メリットの多い低用量ピルですが、以下に該当する場合は服用できません。
- 高血圧である
- 妊娠中または授乳中である
- 血栓症になったことがある
- 35歳以上で、なおかつ1日に15本以上の喫煙者である
また、以下の項目に一つでも当てはまる人は服用前に医師に相談することが必要です。
- 子宮筋腫など、婦人科系の疾患がある
- 血栓症になった親族がいる
- 喫煙者である
- 40歳以上である
- 肥満である
ビタミン剤
ビタミン不足もニキビの原因です。そのため、皮脂分泌を調整したり、皮脂や粘膜の働きを正常に保つためにビタミンB2やビタミンB6、ビタミンCといったビタミン剤が処方されることもあります。
また、皮膚組織の回復を高めて肌のターンオーバーを正常化するためにも用いられます。処方されるのは「シナール」や「ハイチオール」といったビタミン剤が一般的です。
市販でも購入することができますが、それに比べて吸収効率が優れています。だからしっかりとビタミン補給ができ、ニキビの症状緩和につながります。
漢方薬
ニキビ治療では抗生物質などの内服薬や外用薬以外にも、生薬を原料にした漢方薬が処方されることがあります。これはニキビ菌を殺すためのお薬ではなく、ニキビの出来にくい体質へ改善することを目的としたお薬です。
体質的にニキビができやすい、あるいは肌が弱くて薬が合わないという人には漢方薬を試してみてもいいかもしれません。飲んですぐ効果が表れるものではありませんが、副作用の心配がなく継続できるのが特徴です。
現在は有効成分だけの粉末状になったエキス剤があります。なかなかニキビが治りづらいという人は試されてはいかがでしょうか。こちらもドラッグストアなどで購入できますが、医療用に比べ成分が1/3程度しかありません。そのため医療機関での処方がおすすめです。
ニキビ治療用の漢方薬として処方されるものには「当帰芍薬散」、「十味敗毒湯」、「桂枝茯苓丸」、「黄連解毒湯」、「抑肝散加陳皮半夏」、「荊芥連翹湯」、「麻杏ヨク甘湯」といったものがあります。
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面皰圧出
専用の器具を使い、ニキビの中に詰まっている膿や古い角質、皮脂、産毛などを取り除く治療法が「面皰圧出」です。保険の適用がされる範囲の治療で、皮膚科では一般的に行われています。
どのタイプのニキビでも治療はできますが、できれば炎症が起こる前の白ニキビの状態で処置すると効果的です。面皰圧出を行うメリットとしては、再発しづらくなることと、ニキビの治りが早くなるということがあります。
その手順は、皮膚を消毒したあとニキビの先端にレーザーなどで穴を開け、面皰圧出器という専用器具で中身を押し出します。
圧出前に穴を開ける手順ををレーザーで行う場合、その部分はレーザーの熱で殺菌されます。そして皮脂腺も熱によってダメージを受けるため、同じ箇所にニキビができにくくなるのです。
もし、穴を開けずに圧出してしまうと、圧力をかけたときに大きな穴があいて跡が残る場合があります。先にニキビに穴をあけておくことで、小さな傷だけですむのです。だから自分でつぶすことはしないようにして下さい。
また、膿を取り除くことで炎症がおさまり、ニキビの治りも早くなります。白ニキビや黒ニキビの場合は、中に詰まっているのは皮脂の状態ですが、それも取り除くことで早く治すことができます。
まとめ
いかがでしたか?皮膚科でのニキビ治療は保険が適用されるケースが多く、思ったよりも意外と費用はかからず、そして治りが早くなる可能性が高いです。
ニキビで病院へ行くなんて大袈裟だ!なんて思わずに、ニキビ跡ができてしまう前に、皮膚科で治療をしてしまいましょう。
にきびを早く治すには、自己判断せずに専門の医師に診てもらうのが一番です。今ニキビで悩んでいるという方はぜひ!一度皮膚科を受診してみてください。
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