外壁塗装の手抜き工事を見抜くための工事の流れでのチェックポイント
外壁塗装の営業でよくある電話勧誘や訪問営業。
よく知らないと、ついいつい「塗り替えなくてはいけないのかも?」と契約に耳を傾ける人もいるでしょう。
そうでなくても、はじめて塗り替えをする場合、破格の見積りで契約したら、後ですぐに塗装剥がれが出たといったトラブルに巻き込まれることもあります。
外壁塗装は意外と経験を必要とする職種で、悪徳業者にかかると手抜き工事をされてしまう可能性があります。
もし契約してしまって、実際に工事が始まっても、手抜き工事をしていないか見抜くポイントをこれから解説しましょう。
目次
手抜き工事ができるポイントはたくさんある
「悪徳業者は手抜き工事を行う」と疑って見よう
見積りが破格の安値というのは悪徳業者の証と言っても良いくらいの典型です。
悪徳業者は利益を優先させますから、安い分はどこかで手抜きします。
また、オプション料金が多い業者も要注意。基本料金でやすく見せかけ、法外なオプションと称する作業料金で利益を上げます。
これらの業者には見積りの段階でお断りするとよいのですが、そこまでではない業者でも、いい加減な業者はいます。
初めての塗り替えで、業者の選択に不安がある場合は、施工の途中で手抜きがないか疑ってみましょう。
時間とコストの削減のために手抜き工事は行われる
業者側から見ると、手抜き工事で利益をあげるには2つのことを考えて施工を行います。
まずはコストの削減。塗料を安価な物にする、細かな手作業など工程を省く方法。
劣化が早く、次の塗り替えまで持ちません。
もう一つは時間の削減。工程を抜かすこともそうですが、丁寧な仕事をせず、早く仕上げて人件費を節約する、塗料が乾いていないのに上塗りするといった行為です。
これでは十分塗料が壁の素材に接着しませんし、ピンホールができて、そこから壁が劣化します。
工期の中でチェックすべきポイントを紹介
手抜き工事を見抜くには、工程ごとでチェックをし、見積り通りされているか、職人の手さばきが雑でないかを見ていくことが必要になってきます。
つきっきりというわけには生きませんが、各工程のチェックポイントをおさえておけば、手抜き工事を早く発見できます。
下準備期間(1〜4日目)
【1日目】足場の組み立て・設置
作業の前に、見積りで「足場無料」とうたっている業者は悪徳業者です。
足場は単管パイプ足場なら手間もかかりますし、第一、塗装業者が足場業者に依頼するのが一般的ですので、無料にできるはずがありません。
作業当日、隣近所に迷惑を掛けないように挨拶をするのも、業者としての礼儀です。
乱雑にパイプを運んでいるように見えるのもダメ。壁に傷をつけないように慎重に運ばなくてはなりません。
【2日目】外壁や屋根の高圧洗浄
高圧洗浄でしっかり汚れを落としておかないと、塗料のつきが悪くなり、剥がれの原因になります。
反対に、高圧洗浄機で水を勢いよく出し過ぎると、壁を傷つけてしまいます。
あえて高圧洗浄機を使わずに作業をする業者もいますが、今ではまれな存在です。
高圧洗浄機で屋根との境界など丁寧に扱っていない業者はよい業者とはいえません。
一般的に高圧洗浄機の水圧は15Mpaで行われます。計器の目盛を確認してみましょう。
【3日目】塗りの不要な部分の養生
洗浄が終わったら十分な乾燥が必要です。まだ水がしたたるような状態で作業に入る業者も余り信用できません。
サッシの境界など、塗料がついてしまっては困る部分に丁寧にマスキングなどの養生をしているかも気になるところ。
全くしない業者はないでしょうが、細かなところまで作業しているかもポイントです。
隣の家が隣接している場合、飛び散らないようにシートを張っていますが、それも十分か確認しておきます。
ベランダの鉢物にもカバーがされているかも確認しましょう。
【4日目】下地調整・サビ止め塗布
ひび割れやシーリング、モルタルの場合は凸凹をきちんと補修しておかなければ、塗料がうまく接着しません。
屋根等ではさび止めが必要でしょう。これらをきちんとしているかも重要です。
シーリングについては丁寧にしておかなければ壁素材の劣化だけでなく、雨漏りにもつながります。
壁塗り工事期間(5〜7日目)
【5日目】壁塗り(下塗り)
塗装は3回以上行うのが普通です。手抜き工事をする業者は、ここを省いてしまうのが1つの手口。
下塗りはこの後に塗っていく塗料の壁への吸い込みを抑えるために塗ります。
シーラー、プライマー、フィーラーなどを使用します。塗料によっては吸い込み量が多く、塗料をたくさん必要とするものもあります。
下塗り・中塗り・上塗りと、色を変えて塗りむらがないか確認していく作業を怠る業者もあります。
もしそのような業者であれば、色を変えてもらうように申し出ましょう。
【6日目】壁塗り(中塗り)
吹き付け塗装の場合は、特に職人の腕が左右されます。
目に見えないくらいの穴(ピンホール)は、経験を積んだ職人でも出てしまいます。
「塗料が特殊だから1回で大丈夫」等と説明する業者は悪徳業者です。
下塗りと色違いであれば塗り残しはわかりやすいです。
また、きちんと乾燥してから塗っているか、細部まできちんと塗装されているかも確認しましょう。
【7日目】壁塗り(上塗り)
上塗りは仕上げの塗装です。
塗料を節約するために、薄く塗るのはもちろんのこと、規定よりも薄めて使う業者は悪徳業者です。
その日の天気によっても違ってきますが、おおよその希釈倍率は塗料ごとに決まっています。
慣れた塗装業者では、経験によって希釈率を多少前後させますが、目分量で適当に混ぜているようであれば、それは悪徳業者の可能性が高いです。
見積もりにあった塗料と違う、あるいは独自開発の塗料だというのも悪徳業者の典型的事例です。
独自開発の塗料など塗装業者ではできるはずがないからです。
見積もりと同じ塗料を使っているか確認してみましょう。
屋根塗り工事期間(8〜11日目)
【8日目】壁塗り(下塗り)
外壁と同じように、屋根の塗装も最低3回は行います。
屋根の場合は雨漏りにつながりやすい部分ですから、下地処理はしっかりしていないといけません。
特にひび割れなど完全に補修してあるか、凸凹を平らにしてあるか注意しましょう。
鉄さびなどある場合はケレン(さび取りなど)きちんと掃除がしてあるか、さび止めを塗っているかもポイントです。
【9日目】壁塗り(中塗り)
コロニアル屋根の塗装などで下塗り後の縁切りとタスペーサーがきちんと設置してあるかもポイントです。
そうしないと塗料が屋根材の間に入り込んで屋根材と屋根材が密着してしまい、雨が下にうまく流れず、雨漏りの原因になってしまいます。
【10日目】壁塗り(上塗り)
上塗りを含め、塗装には十分な乾燥が必要です。1日工程でやっているか注意しましょう。
【11日目】養生を剥がす・細部の確認
上塗りが乾いたら確認作業を行い、塗りむらがあれば補修していきます。
確認作業が終わったら、養生を丁寧に剥がしていきます。
最終的なチェックは施工主の立ち会いで行われますので、細部まで塗り残しがないか、汚れがついていないかなどチェックしましょう。
最後に足場を撤去しますが、終わったあとの掃除も行き届いているか、見回るようにしてください。
まとめ
外壁塗装を行う場合は、見積もりの段階である程度悪徳業者かどうか判断できます。
しかし、悪徳業者とまでは行かなくても、経験の浅い業者では、仕事が荒っぽいなどの場合もあります。
施工段階でチェックをしていくことで、手抜きを見抜き、早期に改善してもらいましょう。
また、疑問があればその都度確認することも大事です。