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FXで勝つために!「ストップロス」と「損切りレートの設定方法」

 

FXでは、損切りは絶対に必要なことです。

早すぎる損切りは考え物ですが、神頼みで大きな含み損を抱えたままにしていては、負けを大きくする可能性が高くなります。

損失をどこまで許容できるのか、どこまでに抑えたいか、というポイントを決めることは非常に大切なことです。

「損をいかに小さくし、利をいかに大きくできるか」、これがFXで勝つために必要な考えです。

個人投資家であれば、誰でも「損失はここまでにしておく」と決めています。

資金力、スタンスやスタイルは人それぞれですので何とも言えませんが、自分なりのルールを決めて、揺るがずにそれを実行するのがおすすめです。

 

目次

損が発生するメカニズム

ポジションを持ってから損をするまでを考えてみましょう。

例えば、デモトレードであっても、FXをやったことがある方なら痛いほど分かると思います。

ポジションを持ち、利益になるということは、言わば「読みが当たった」「想定通りの動きをした」ということです。

これは、損ではなく利です。しかし、相場は気まぐれであり、波を作って動いていきますので、いきなり反発していくことがよくあります。

そこでマイナスになり、やっぱりダメだったと言ってすぐに損切りできるか、それともまた戻るから大丈夫と言って持ち続けるかどうかで、最終的に利益が得られるかが変わります。

簡単に言えば、素早く損切りして切り替えられるかが重要なのです。

そこでお勧めなのが、損切り(ストップロス)のレート、ポイントを決めるということです。

損切りポイントをポジションごとに決めておく

FXでは、証拠金が足りる限り、証拠金維持率が持続できる限り、持ったポジションを決済しないで持ち続けることが可能です。

しかし、それでは1度のトレードで全部を失いかねません。

生き残り続ける投資家は、不調で負けが込んでいる時でも最小限の損にとどめることができ、調子のいい時には利を伸ばせます。

損切りは、自分の資金と直結することですので、デモトレードで何度も練習を重ねて、ベストなポイントを探っていきましょう。

資金や通貨ペアなど、一概には言えない要素がたくさんあるため、練習を重ねて、自分なりのルールを作っていかなければなりません。

[図1:損切りポイント設定の一例]

そこで具体的に、損切りレートの設定、具体的な損切り方法、についてご紹介します。

直近の安値の下で損切りをする

ある通貨ペアを買いで持つとします。買いですので、上がるのがベストですが、下がれば損切りしなければなりません。

しかし、それと反対にどんどん下がっていってしまうとします。

すると、恐怖心や損を嫌がる気持ちが出て、損切りするタイミングを失ってしまいます。

そこで、覚えておきたい方法のひとつが、「直近の安値よりも下で切る」です。

直近の安値とは、下降トレンドが終わり、上昇トレンドに入ったときです(図1も合わせてごらんください)。

上昇の途中に買いで入り、さらなる上昇を期待したところで落ちるのは、よくあることです。

ですから、落ち続けて直近の安値をさらに下回ったら、損切りをするのです。

この損切り方法の仕組みは、上昇トレンドの定義と、ダウ理論が関係しています。

絶対ではありませんが、実は、このように「これは上昇する」「下降する」など、トレンドは見分けることが可能です。

簡単に言えば、直近の高値よりも高い位置につければ、それは上昇トレンドであり、安値よりも安くつければ、下降トレンドです。

言い換えれば、山を2個や3個作っている上昇トレンドだとしても、直近の安値を下回ったら、その上昇トレンドが終了するということです。

トレンドが終わるということは、下降トレンドに切り替わるか、レンジ(小さい幅で上昇と下降を繰り返す相場)になるかのどちらかです。

逆指値を切りのいい為替レートにする

先ほど述べたように、安値を下回ったところで損切ると、むやみに損失を大きくさせずに済む可能性が高くなります。

ただし、相場に絶対はありません。常に、イレギュラーな動きが連続していますので、過信は禁物です。

例外を挙げればきりがありませんが、ここで、一つだけ紹介します。

それは「切りのいいレート」を見るというものです。

チャートを見続けていると、現在の値段を見落とすことがあると思います。

値段とともに見てみると、100円のラインで攻防していることなどがあります。

ドル円で、100円が99円を行ったり来たりすることは良くあり、話題になりますが、切りのいいレートは、市場において非常に注目を集めている瞬間です。

市場において、強い注目を集めている切りのいいレートに近い時は、その少し上、そのレートにさしかかる手前で損切りをするのがおすすめです。

もし、切りのいいレートを割ったり、超えたりしたら一気に突き抜ける可能性が高まります。

その理由は、相場は人が動かすものなので、注目を集めているレートは不安定な動きをしがちです。

個人トレーダーだけではなく、数百億規模のお金を動かす巨大なヘッジファンド、オプション、さらには石油、金など、世界情勢に関する部分も値動きに大きく影響するからです。

特に、為替レートが特定の時間に、特定のレートの上なのか、下なのかを予想するトレードでは、オプションの該当時間は、ひと際注目を集める瞬間になります。

オプションの参加者は注文をしたり、反対に取り下げたり、あらゆる手段を使って為替レートに影響を与えようとします。

また、オプションに限らず、指標発表など、何らかの要素で相場が不安定になっている時は、レートが跳んで窓ができるとか、取引スプレッドが広くなる、さらにはスリッページ(注文した価格と実際に約定された価格の差のこと)が発生することもあります。

スイスショックに学ぶ損切りの重要性

切りのいいレートの手前で損切りして決済しておくことは、このスリッページを防ぐのに大いに役立ちます。

最近の動きで言えば、今年のイギリスEU離脱国民投票時なども大きく動きました。

また、直近で最も被害が大きいと感じたのは、2015年1月のスイスショックです。

スイスフランはほかの通貨よりも動きがとても穏やかで、1日に数百pips動くことなど、ほとんどありませんでした。

スイスの中央銀行は、スイスフランが強くなりすぎないように、ユーロスイスフランの通貨ペアを1.20よりも下にしないよう政策で決めており、多額の資金を投入していました。

しかし、2015年1月15日、スイスの中央銀行は市場に屈してしまい、ユーロスイスフランは大暴落しました。

長らく維持していた1.20のレートが、わずか1日でなんと0.9を切ったのです。

悲惨なスリッページは全世界で後を絶たず、なんと1000pipsスリッページしたという人もいたようです。

1000pipsということは、逆指値を1.1990で置いたはずが、約定されたのは1.0990だったということです。

当然ながら、多額の追証が発生し、借金を背負うことになります。

このようなスイスショックはやリーマンショックは、とても極端な例で、読み切ることはほぼ不可能です。

もちろん、頻繁に起こることでもありませんが、きちんと損切りすることは何よりも大切ですので、自分なりの損切りルールは必ず確立させましょう。